新作を月4本+過去作400本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚のような存在なのです!いつもありがとう!
岸田奈美|NamiKishida
年末のある日とつぜん、部屋の天井が落ちて、上階の汚水が流れこんできたときの限界記録。
比較的多くの方の目に触れてしまったnoteを集めました。
母が心内膜炎で入院、祖母は認知症が悪化、犬は大暴れで……岸田家の危機に、祖父の葬儀、鳩の襲来などが続々と!「もうあかんわ」と嘆きながら毎日更新した2ヶ月の記録。ライツ社から発刊した同名の書籍に収録していないエピソードも。(イラスト:水縞アヤさん)
NHK BSプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の原作エッセイ・撮影現場レポートのまとめ。ドラマは“岸本七実”が主人公のトゥル〜アナザ〜スト〜リ〜なので、読んでから観ても楽しめること大請け合い!
2021年の2月、とんでもなかった!重めのトラブルの夏フェスかと思った! ヘッドライナーが「母、心内膜炎で生死をさまよい入院!」でしょ。 それだけでも心のキャパの動員数があふれ返ってるのに、同時間帯に別ステージで「祖母、いきなりコントみたいにボケはじめる!」「祖父、10年以上安定してたのに不意打ちの危篤!」だから。 その日によって一番優先度の高い事柄も変わるから、ハロルド作石風にたとえるとRISING SUN ROCK FESTIVALでBEKKUが立ってるステージが中
※このnoteは、「フェリシモ CCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)」さんから依頼をうけて、ウキウキしながら書きました。 小学生のころ、わたしの首にはいつも、びっくりするほど太い毛糸のネックレスがぶらさがっていた。親指より太かったと思う。 ネックレスの先には、宝石ではなく、鍵がついていた。 家の鍵だ。 わたしは、家の鍵をなんぼでも失くす子どもだった。 母があの手この手で、ランドセルにしばりつけたり、長年続く大会のトロフィーについてるヒラヒラより多くのキ
講談社「小説現代 3月号」に連載しているエッセイ「飽きっぽいから、愛っぽい」をnote向けに一部抜粋と編集をして、キナリ★マガジン読者限定で公開しています。イラストは中村隆さんの描き下ろしです。 いまから、十年以上も前のことだ。 「どんな人でも歩けるようにしてくれる、神様のような先生が北の国にいるらしい」 大動脈解離の後遺症で、下半身麻痺となった母のもとに、とんでもねえ話を手土産にしてきた男がいた。 母は当時、これまでの人生でまぎれもなくドン底にいた。昨日まで歩けてい
2月16日の今朝、日本テレビ「スッキリ」にコメンテーターとして、出演させてもらいました。 母の入院や、祖母と弟の暮らしのことで、えらいことになっていたので、4日前くらいまで「これ、出演できるのか……?」と思ってました。 だけど、コロナ対策で一切、顔を見て話すことができない母(親の顔が見てみたいという言葉をマジの用法で使った)が、病室からテレビでわたしの顔を見ることを楽しみにしていました。地上波を使った面会て。 それに、いまこういう類まれなる経験をしてるからこそ、伝えられ
photo by 幡野広志 14日間の原因不明の発熱のあと、重度の感染性心内膜炎という診断を受けた母が、11時間もの心臓手術を終えて、集中治療室に入りました。 いまは安定していて、合併症や後遺症などもありませんが、これから起こることもあるので、2ヶ月程度は経過観察で入院です。 でもひとまず、命が助かった。ほんとうによかった。 手術は、とても厳しい状況だったようです。 感染症心内膜炎は、歯や傷口から入ったばい菌が、血液で運ばれて、心臓に巣をつくります。 12年前に母
2月6日(土)の夕方に、母は大学病院に緊急入院した。 そこから9日(火)の夜まで、病院には五回足を運んだけど、一度も母の顔は見ていない。見れない。 コロナ対策で、患者さんとの面会は一律、禁止だから。 つまり最後に見た母は、グッタリして「ほな、さいなら」とつぶやく、とてもシュールな光景だった。新喜劇の幕引きとちゃうねんぞ。 入院した母は、まず病名を特定させなければということで、いろんな抗生剤を入れたり、あちらこちらを検査したりすることになった。 「食道カメラが、想像の