おっちょこちょいで、うまくやれなくて、落ち込んでいるキミへ
※このnoteは、「フェリシモ CCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)」さんから依頼をうけて、ウキウキしながら書きました。
小学生のころ、わたしの首にはいつも、びっくりするほど太い毛糸のネックレスがぶらさがっていた。親指より太かったと思う。
ネックレスの先には、宝石ではなく、鍵がついていた。
家の鍵だ。
わたしは、家の鍵をなんぼでも失くす子どもだった。
母があの手この手で、ランドセルにしばりつけたり、長年続く大会のトロフィーについてるヒラヒラより多くのキーホルダーをつけたりしたが、てんでダメだった。
どこでどう失くしてんのか、自分でもわからん。
奥の手が、びっくりするほど太い毛糸のネックレスだった。ずっとつけていた。登下校するにも、遊ぶにも、おつかいするにも。
バカみたいに目立つので、ゲームでいうところの「倒すと宝箱の鍵を落とすタイプのトロール」に見えてたと思うし、ネックレスとは名ばかりで、毛糸を輪っかにして結んだだけだけど。
「鍵、失くさなくなったねえ!えらいわあ」
母がめちゃくちゃ褒めてくれて嬉しかったので、誰がなんと言おうと、母から愛とともに受け取ったそれは、ネックレスなのである。
さて。
大人になっても劇的には変われないわたしを置いて、社会は劇的に変わっていく。
大学で。アルバイト先で。会社で。
ものを失くさないように。
約束を忘れないように。
まわりに気を配り続けるように。
あわてふためきながら悪戦苦闘するわたしを、褒めてくれる人はいなくなってしまった。
当たり前だ。
社会では そんなミス“しない”のが、普通なのだ!
会社で働いていたときは、注意力が爆発四散しているわたしが、貸与されているパソコンにペットボトルの水をしこたまこぼし、上司や総務からしこたま怒られたことがあった。
一度や二度ではない。
四度だ。
仏の顔システムでも、もうかばいきれない。
始末書の「改善・対策」というスペースに
「集中して作業するときは周囲に気をつけます」
「フタつきの飲み物だけを買います」
「防水のシートをパソコンに貼ります」
と回数を重ねるごとに書き連ねていったが、それでもこぼすので、最後の始末書には
「仕事中、水はいっさい飲みません」
と書き、担当者から「ちょっと落ち着け」と止められた。
同じようなことで、ごめんなさい気をつけます、と何度言ったかわからない。気をつけているつもりでも、グッタリした瞬間に、また同じことが起きる。もうええわ。
ある日。
謝りながら、ぽろ、ぽろ、と悲しくて涙がこぼれてきた。
ミスしてしまうことが、悲しいのではない。
自分を嫌いになっていくのが、悲しいのだ。
「ありがとう」って言う回数より「ごめんなさい」って言う回数の方が多くなると、人の心はズタズタになっていく。人に迷惑しかかけてないと自覚することは、地球のすみっこにちょっとずつ追いやられていくのと似ている。
その「ごめんなさい」も、ミスを繰り返すことで、ウソのように思えてしまう。もう言いたくない。
自分で、自分を信じてあげられない。
好きになってあげられない。
これは、めちゃんこ悲しい。
そういうのに泣きつかれてのいま、思うことがある。
ぶっちゃけ、わたしがものを失くしても、パソコンに水をかけても、誰も死にはしない。そりゃ他人にめちゃくちゃ迷惑をかけるのはよくないけど、死にはしない。
やるべきは、できるだけミスをなくすように工夫すること。
ミスをしたあとに、対応すること。
いや、そんなん、わかっとるわ!
わたしはその二つすらもあんまり深刻に考えなくていいと思う。いつも尻ぬぐいしてくれてる人たちには申し訳ないけどさ!
だって、とんでもない気力と体力がいるから。わたしたちが、そういうことを頑張るには。
工夫とか対応とかの前に、自分に自信を持たないと、気力も体力も生まれない。得意なところで貢献しようっていう前向きなやる気も生まれない。
自分を好きになることが、最優先だよ。
難しいけど。
気が遠くなるくらい時間かかるけど。
でも、おっちょこちょいっていう個性は、この先もずっと変わんないから。小手先の努力なんて、ずっと続けらんないから。
自分を好きになる方法っていっぱいあるけど、たとえば「俺、やるじゃん!」っていう体験をたくさん持っていくのがいいと思う。
ほんでわたし、最近気づいたんだけど。
希望がさしこんでいることに。
おっちょこちょいのわたしたちは、やるじゃん体験を持てる回数が、すごく多い。
だって、鍵失くさないだけで「やるじゃん!」って思えたから。
他人より苦手が多いからこそ、ちょっとしたことで、前に進める。
それは、誰にも伝わらない、小さすぎる歩みかもしんないけど。自分にだけ伝われば、それでいい。
「やるじゃん!」が、このやばすぎる社会の荒波で、強く生きる武器になる。
そんで、すぐに解決しなくてもいいんだわ。結果よりも大切なのは、わたしがどう考えて、どう行動したかで。行動したこと自体に「やるじゃん!」って思えるから。
そうやって、たくさん失敗して、たくさん傷ついて。
だけど考えて、行動して。
自分を愛してあげようともがくあなたやわたしは、世界にとって絶対に必要なんです。
誰かを愛せるのは、自分を愛せる人だから。
と、いうわけで。
「やるじゃん!」を増やして、自分を愛するためにいいものがあります。
フェリシモさんの「CCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)」のプロダクトです。
(ほんとうはそのためのnoteなのに、思いの丈をぜんぶ語らせてくれてありがとう、フェリシモさん)
わたしみたいな特性のある子どもを持つママさんたちと一緒に開発された、思いのこもったお助けグッズを、わたしも使わせてもらいました。
1.リール付き本革キークリップ
こうやって、ボトムスやカバンにはさんで、やな。
オラッッッ!
ビヨーンと伸びるんだな、これが!
秘密兵器感がある!
見た目もレザーなのでかっこいい。わたしはトートバッグにつけたけど、ボトムスのポケットにつけても便利っぽい。
家に帰ったらこのクリップを取り外して、下駄箱の上に置いて、つけ外している。
2.メッシュリュックインナー
だいたいお察しのことと思いますが、わたしが背負ってるリュック、カオスなんですよね。
ほら、パソコンとかノートとか抜いても、底の方にいろいろ散らばってて。
……ん?
ウワーーーーーッ!
一万円だーーーーーッ!
あと、なんかたぶん確定申告的にそのままにしておいたらやばそうな新幹線の領収書だーーーーッ!
こういう、予想もしないところから放置してたお金が出てきて、唐突にハッピーになれる仕組みを「岸田ハッピーマネーメソッド」と呼んでるんですけど、普通に失くす可能性の方が高いと思う。
なので、メッシュリュックインナーを使いました。
美しい。
他のバッグインバッグと違うのは、「お部屋がいっぱいある」のと、「リュック用や、トート&ランドセル用がある」のと、「お部屋の場所を覚えられない場合は、表札みたいなタグを自分でつけられる」の。
タンブラーも専用のお部屋があって、すっぽり。
こっちはわたしがいつも持ち歩いている、ノートのお部屋。
これをそのまま、すっぽりと、リュックに。
良き……!
こうやっておさまってるのを見るだけで「やるじゃん」って思える。ガチャガチャとリュックの中をあさらず、すっと取り出せるので、打ち合わせでいい女感を出せた。
3.お道具箱
外出自粛で、家で仕事するようになってから、もうずっと集中してるうえにウロチョロ歩き回るもんだから、気がついたらありとあらゆる机の上が地獄みたいになってる。飯も食えん。
そんなときの!お道具箱!
お道具箱ってなつかしい!昔、ここにパン入れてたなあ。
岸田家でいちばん整理整頓の上手な、弟にレクチャーしてもらいました。
仕切りがついてるので、これもお部屋ごとにものを分けて入れやすいみたい。とても楽しそうなので、わが弟ながらすごい才能を持っているなと思った。
姉ちゃんもやってみたよ。
ご飯の時間になったらとりあえずここにぜんぶしまって、部屋の中で作業する場所を変えるときは箱ごと抱えていったら、いつも机の上がきれいになりました。机の乱れは、心の乱れ。
4.デスクパーテーション
これは……これはな、全同居系テレワーカーたちにすすめたい。いわゆる、卓上の目隠しなんだけどさ。
集中できる。
急に視界に入ってくるミカンをむいてみたくなったり、壁のシミが気になってこすりはじめたりしない!ワールド イズ マイン!
しかもこれ、地味にプリントが挟めるようになってて、いいんだよな。今日のタスクとか、資料とか、見ながらできる。
PCなどのコードを通せる凹みもあるよ。かゆいところに手が届いてる。
これ、このままスタバとかに持っていきたい。さすがに目立つか。デスクパーテーションを持ち運ぶ人が増える世の中に、一刻も早く、なってほしい。
5.タスクチェッカー
これは、毎日やることが決まってるタスクや、持っていくアイテムを書き込んで。
できたら、ひっぱると「笑顔マーク」が出てくる。
玄関にぶらさげておくと、忘れ物しないってやつよ。
さすがに29年も生きてると習慣づいてるし、そもそもパソコンとスマホさえあればなんとかなるから忘れ物チェックっていつもしないんだけど。
これ、母が入院して、わたしがばあちゃんの毎日のサポートやるようになってから重宝したのよ……。
毎朝お薬飲んだとか、血圧はかったとか、冷蔵庫のチェックしたとか、そういう「習慣づく前だけどやらないといけないこと」を書いて、わたしとばあちゃんふたりでチェックしてる。
「あれやった?これやった?」って確認されるの、何気にイラッとするし、聞く方もしんどいからね。こういうの、使えばいいと思う。
ここで紹介しきれないけど。ほかにも、やさしくて、便利な工夫がいっぱいあるグッズがたくさんあるみたいなので、ぜひ見てほしい。
これは実家で弟が気に入って、使ってるそうです。念願の長財布で、嬉しいんだって。よかったなあ。
フェリシモさんって「毎月商品が届くのが楽しい!」っていうイメージですが、ひとつだけ買うこともできるそうです。ぜひ、おひとつ。
「やるじゃん!」って思えることを、今日からひとつでも増やすと、この先の人生がもっと楽しくなると信じて、わたしも使っていく。