新作を月4本+過去作400本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚のような存在なのです!いつもありがとう!
岸田奈美|NamiKishida
年末のある日とつぜん、部屋の天井が落ちて、上階の汚水が流れこんできたときの限界記録。
比較的多くの方の目に触れてしまったnoteを集めました。
母が心内膜炎で入院、祖母は認知症が悪化、犬は大暴れで……岸田家の危機に、祖父の葬儀、鳩の襲来などが続々と!「もうあかんわ」と嘆きながら毎日更新した2ヶ月の記録。ライツ社から発刊した同名の書籍に収録していないエピソードも。(イラスト:水縞アヤさん)
NHK BSプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の原作エッセイ・撮影現場レポートのまとめ。ドラマは“岸本七実”が主人公のトゥル〜アナザ〜スト〜リ〜なので、読んでから観ても楽しめること大請け合い!
教習所を、卒業した! どっこい! まだ免許は、もらえない! 警察が運営する“運転免許試験場”に行き、最後の関門であるペーパーテストに合格すれば、晴れてこの手に栄光をつかめる。 もう二ヶ月以上、ひたすら運転の話ばっか聞かされているみなさま方においては、さぞ、うんざりしていることでしょう。ごめんなさい。 どっこい! わたしにとっては、いま、ここがクライマックス! なぜなら10数年前、教習所を卒業したにも関わらず、期限内に試験場へ行かなかったという絶望を味わっているの
「ちょっとさあ、運転怖くなっちゃったんだよねえ」 高木さんの一件でナイーブになったわたしは、一周まわって悟ったような、けったくそ悪い物憂げな瞳をチラつかせていた。 神妙な顔で聞いてくれた知人が、口を開く。 「……あんた、三回目なんよな、教習所」 「うむ」 「つべこべ悩む前に、卒業という落とし前つける方が先では」 おっしゃる通りである。自動車教習はワンコそばみたいなノリで、おかわりし続けて良い場所ではない。この支配からの卒業。闘いからの卒業。 そう、卒業検定が目前
トイプードルの梅吉が、急性の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)を発症した21日間のこと 9月23日(DAY1) お天気がいいので、おもむろに犬をひっくり返し、天日干しをしていると。 「あっ!」 ドテッ腹に、赤いあざ! ひい、ふう、みい……5つも! ぶつけたんかな。 いや、いっぱいすぎて、おかしいぞ。 9月24日(DAY2) 痛くもかゆくもなさそうだがなんとなく、動物病院へ。 「顔色は悪くなさそうですねえ」 神妙にうなずいてしまったが、どこからどう見ても
死亡事故を起こした人と話したのは、初めてだった。
「自動車免許をとるために避けては通れない関門、それが応急救護研修です」 教官が仁王立ちしながら、言い放った。 女性だったが雰囲気も口調もガチでエグい強さだったので、ガチエ教官と呼ぶ。神妙な顔でうなずいてしまったが、教習生たちの心はたぶんひとつ。 (いや、他にも関門あるやろ) むしろ避けて通れる道の方が少ないだろ。 しかし、この研修室というバトルフィールドは、ガチエ教官の支配下にある。ガチエ教官の発言こそすべて。 「もうこの研修までくれば、免許取得はあっという間です