新作が月4本以上+過去作200本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくためのマガジンです。おもしろいものを書くためにがんばります。購読してくださった皆さんは遠い親戚のような存在です!いつもありがとう!
岸田奈美|NamiKishida
母が心内膜炎で入院、祖母は認知症が悪化、犬は大暴れで……岸田家の危機に、祖父の葬儀、鳩の襲来などが続々と!「もうあかんわ」と嘆きながら毎日更新した2ヶ月の記録。ライツ社から発刊した同名の書籍に収録していないエピソードも。(イラスト:水縞アヤさん)
NHK BSプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の原作エッセイ・撮影現場レポートのまとめ。ドラマは“岸本七実”が主人公のトゥル〜アナザ〜スト〜リ〜なので、読んでから観ても楽しめること大請け合い!
比較的多くの方の目に触れてしまったnoteを集めました。
講談社『小説現代』で連載していたエッセイがnoteでも全文読めます。地元の神戸市北区、修行の北海道小樽、一人暮らしの東京……記憶と場所を紐づけてなにかを取り戻していきたい。(イラストは中村隆さん)
セット教習、なるものに招集された。 セットっつーと抱き合わせ商法の類かと思いきや、教習生が三人一組で同乗する教習だ。一蓮托生の人間ハッピーセットである。 「教習…
天下御免の仮免許証により、路上を運転できるようになった。 ヘイヘイヘイボーイ!そんなとこチンタラ歩いてないで、アタシと海までランデブーしない?ウフフ!気分はもう…
仮免許証を手に入れた。 二つ折りの厚紙に顔写真を貼り付けて、ハンコをポンと押しただけの代物が、それはそれは輝いて見えた。 「仮免許証があれば、教官や経験者をとな…
なんの準備もなく、教科書すらもなく、60分後に学科試験を迎えることになってしまった。こんなはずでは。 免許の学科試験は、マルバツの二択問題。 わたしはこれが本当に…
何歳になっても試験は大嫌いだが、なかでも運転免許の試験となれば大学の受験より緊張する。 これを正直に打ち明けたところで誰もが「そんなアホな」と呆れて笑うのだが、…
あっちゅーまに、第一段階の修了テストの日がやってきた。 これに受かれば仮免許証ゲット、公道を練習できる。落ちれば、お金を余分に払って補習を受けなければならない。…
2023年9月27日 01:16
セット教習、なるものに招集された。セットっつーと抱き合わせ商法の類かと思いきや、教習生が三人一組で同乗する教習だ。一蓮托生の人間ハッピーセットである。「教習生同士で、お互いの運転を見て、良いところと悪いところを観察しましょう」教官に説明されたが、何度考えても、納得がいかん。なんでそんなことせなあかんねん。教官ってのは、その良いとか悪いとかを言うためにおるんとちゃうのか。さして興
2023年9月22日 13:09
天下御免の仮免許証により、路上を運転できるようになった。ヘイヘイヘイボーイ!そんなとこチンタラ歩いてないで、アタシと海までランデブーしない?ウフフ!気分はもう、オープンカーを乗り回すカリフォルニアのギャルと化していた。ただし、束の間。内包する感情はすべて、路上駐車とチャリへの殺意に変わった。車線変更がこんなに怖いと思わなかった。世界はわたしを置いて流れている。いつ横入りすればいいか
2023年9月18日 13:59
仮免許証を手に入れた。二つ折りの厚紙に顔写真を貼り付けて、ハンコをポンと押しただけの代物が、それはそれは輝いて見えた。「仮免許証があれば、教官や経験者をとなりに乗せれば路上で練習できるようになります。その前に、原付講習を受けてもらいます」そうだ。普通免許をとると、オマケで原付も運転できるようになるんだった。原付とバイクの違いをつい最近まで知らなかったのに、急に視界が開けていく。
2023年9月14日 11:47
なんの準備もなく、教科書すらもなく、60分後に学科試験を迎えることになってしまった。こんなはずでは。免許の学科試験は、マルバツの二択問題。わたしはこれが本当に苦手である。この話を始めるとどこからともなく必ず飛んでくる野次は、「そんなもん、常識的に生きてたら解ける問題ばっかりや」なのだが、のん気に嘲笑している者は今一度、胸に手を当て、本当にそうだったのかよく思い出してほしい。『
2023年9月11日 21:38
何歳になっても試験は大嫌いだが、なかでも運転免許の試験となれば大学の受験より緊張する。これを正直に打ち明けたところで誰もが「そんなアホな」と呆れて笑うのだが、わたしはマジメだ。運転免許の試験に落ち続けた者にしか味わえない地獄がある。それは“落ちた”という一言では表せられない、多層的な地獄なのである。4年前、教習所にあえて通えわず、警察署で一発免許に挑戦していた時は本当につらかった。
2023年9月7日 11:28
あっちゅーまに、第一段階の修了テストの日がやってきた。これに受かれば仮免許証ゲット、公道を練習できる。落ちれば、お金を余分に払って補習を受けなければならない。引き続きわたしは神童として運転を披露していた。教官から受けたのは「もっと停止線ギリを攻めた方が気持ちよくない?」という、頭文字Dのようなアドバイスだけだ。いける。全然いける。余裕をぶっこいていた。最後のおさらいのため、前日に教