岸田奈美|NamiKishida
100文字で済むことを2000文字で書きます。noteをまとめた本『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(小学館)』『もうあかんわ日記(ライツ社)』『傘のさし方がわからない(小学館)』『飽きっぽいから、愛っぽい(講談社)』|コルク所属の作家
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今週のもうあかんわ「歯医者コン」
みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。
もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。
はじめた趣旨などはこちらから
ヘッダーのイラスト……アヤさん
今週のもうあかんわ、いってみよ!
※掲載されたみなさんに「もうあかんわ特製ステッカー」を、毎週のMVPには「お見舞金 1000円(図書カード)
深く愛するには、名をつけるのがいい
名をつけると、何度も、何度も、呼べるようになる。
呼んだ数だけ、愛が沈着するような気がする。
別れる男には花の名を教えておけば、毎年咲くたびに自分のことを思い出してくれると、聞いた。
わたしは誰かとお別れする時は、葉牡丹の名を教えると心に決めている。紫か白のキャベツみたいなアレである。夜な夜なノンレム睡眠の瞬間を見計らって、例の枕から音声を流し続けてでも覚えさせてやるからな。
葉牡丹が目につ