9月の振り返り〜絶賛、本つくり中〜
こんにちは!吹けば飛ぶような、岸田奈美です。
9月にやったこと、書いたことをまとめました。
姉のはなむけ日記が完結、本づくり進行中
およそ5ヶ月にわたってnoteに書き続けていた、“ダウン症の弟がグループホームに入居するまでの話”が終わりました。
無事に送迎車も買え、弟もグループホームに入居できたということです。
更新期間中にキナリ★マガジンを購読してくださった人のうち、希望する人にはお名前入りの本をお送りする準備を、着々と進めています。
こんなにたくさんの読者さんが応援して、本をほしがってくださるとは思わず、郵送費だけで100万円を越える一大行事になってしまいました。なはは。
「一ヶ月だけ購読して、やめちゃう人も多いだろうなあ。それでもありがたいけど、赤字になっちゃうなあ」
と覚悟して、月が変わった瞬間に管理画面を見たら……なんとびっくり、今月も購読を続けてくださる人が多いこと、多いこと。エエエーッ!と声が出ました。
いろんなことをせっせとやっていますが、やっぱり一番楽しいのはこうやってnoteで好きなことをおすそわけするみたいに書くことなので、みなさんから仕送りをもらって暮らしてるような気持ちです。ダンボール箱にいろいろ詰まっているやつです。緩衝材がポテチの袋くらい、気の利いたやつです。
大人になっても仕送りって、嬉しいですねえ!
「もうちょっと岸田を見ていたいぞ」と粘ってくださった方に、今月も元気にやらかしている姿をお届けしたいと思っています。
弟が週末、帰ってこなくなりました
グループホームに入居した弟ですが、最初のうちは慣れない環境がしんどいのか「きょうは、ちょっと、いいです」と言って、帰りたがっていました。
そんな弟が週末に実家へ帰ってきては、わたしも京都の自宅から馳せ参じ、家族で彼をチャーハンなどで労っていましたが。
ついに、今週からは。
「ぼく、ぐるーぷほーむ、います」
「えっ」
「からおけ、さんぽ、いく、ます」
グループホームで一緒に住んでいる友だちや、送迎車のドライバーさんともっと遊びたいから、週末は実家に帰らないと高らかに宣言しました。
木べらを片手に「今日はどないなチャーハンにしたろか」と、具材のそぼろから炒めていた母は、嬉しいような、寂しいような。
良太がおらんから、居間のテレビを自由に見れるわ!と笑ってるものの、特に見たい番組があるわけでもなく、チャンネルを回し続けている母。いつものクセで麦茶をビン三本分も作ってしまい、お腹たぷたぷになってる母。
今日は弟から電話がかかってきました。
「あのう、ぼく、たんじょうびのケーキ、だいじょうぶですかね」
来月の4日は弟の誕生日なのです。そのケーキを用意してほしいという電話でした。まあたぶん、彼はあんまりなんも考えてないとは思いますが、わたしと母はお役目ができて、喜んでいます。
子の親離れの方が呆気ないので、親の子離れが息を切らして追いかけてゆくんですな。
2023年のほぼ日手帳も、弟が文字を書きました
「やったで、2年目!」というわけで、なんと今年も、弟がペンをとって、おだて散らされながら数字や絵を描かせてもらいました。
こんなに立派なインタビューも受けさせてもらって……。
IT会社の社長はインタビュー写真でろくろを回す(ように、こなれた手のポーズをとる)と言いますが、まさに、ろくろを回しております。
人は得意気になると、誰から教わらなくとも、ろくろを回すんですな。
このサイズですと、どんぶりでしょうか。
今年は手帳「365にち」だけではなく、かわいいハンカチも作ってくれました。お弁当も、どんぶりも包めます。やさしさで包んでいきましょう。
JINS PARKの期間編集長を務めました
佐久間宣行さんの後任と聞いて緊張していましたが、スタッフのみなさんに恵まれて、任期の最後までやり遂げることができました。
テーマは「壁を、扉に」。
わたしも一本、エッセイを寄せました。めっちゃ難産だった。
JINSは高校生のとき、イオンモール(当時はこの世の楽園)に入ってて、それからメガネはずっとそこで買ってるので、選ばれてすごく光栄でした。
Airframe Hingelessが発売されてからは愛用してます。寝ながら本を読んでても、散歩中の犬に振り回されても、全然ズレないのだ。
文学フリマ大阪にかろうじて出店しました
文学作品の手作り市みたいなイベントなのに、新刊をこさえる時間がなくて、それでも申し込んでしまったし、会いにきてくれる人はいるしで、やぶれかぶれの出店をしました。
一作だけ書き下ろしたエッセイを印刷した無料ペーパー、わたしが描いたイラストのキーホルダーや図書カードが当たるガラポン。
あと、賑やかしのために、なめネコのカードと、スーパーボール。飾りのつもりでしたが、スーパーボールに子どもたちが群がってきて、むちゃくちゃ売れました。ビジネスチャンスはどこで芽吹くかわかりません。これで一財を築こうかとすら思いました。作家の仕事とは。
10月23日の文学フリマ福岡、11月20日の文学フリマ東京にもいますので、お会いしましょう。本を持ってきてくださったら、ろくろを回すように、サインします!
イベントでいただいたおやつなどは、弟がグループホームや作業所にホクホクで持っていって、おすそわけをしています。役得やなお前は。
キナリ★マガジンは今日から購読がおトクです
月額1,000円で、会員限定の記事が4本読めます。
わたしは最近まで知らなかったんですが、更新されるとメールが届くので「メールマガジン」と呼ばれることもあるそうです。うっかり深夜4時とかに更新しちゃってました。
岸田家(わたし、母、弟、ばあちゃん、梅吉)の収入の9割を占めているのが、キナリ★マガジンの購読費です。生命線すぎる。
過去の記事も全部読めるので、購読やめちゃったという人も、たま〜に思い出して帰ってきてくださると、すごく嬉しいです。
今月は、こんな記事を書きたいなあ…と目論んでます。
・ポンコツだったわたしを関西学院大学に合格させてくれた、酔っぱらい院長によるムチャクチャな英語勉強法
・エルメスの指輪を道端に落としたら、速攻でフリマアプリに出品されて警察沙汰になった話
など。でも、他に思いついたら、別のことを書くかもしれません。
先月書いた記事のまとめ
↓「姉のはなむけ日記」10万文字の連載を、9000文字にギュッとまとめて、全文無料で公開しました。送迎車が買えない、という話に絞ってます。
↓こっちは、弟が急に喋りだした……という気づきに焦点を当てました。大好きな映画「ザ・ピーナツバター・ファルコン」のセリフを紹介できたのが、本当に嬉しかったです。
↓VRChatで、新しい趣味ができました。以前にTwitterでちょっとバズったトラブルを詳しく書いたんですが、一番言いたいのは、VRChatでわたしを迎えなおしてくださった皆さんがとっても温かいよということ。
↓ずっとやりたかったんですが「こんなの書評じゃないしなあ……」と尻込みしていた書評を、エイヤ!と始めてしまいました。何度読んでも、泣いちゃう絵本です。大人になればなるほど涙の量が増えてるので、このままいくと50代に差し掛かる頃には溺れるかもしれません。
↓こんだけ、家族のことをエッセイで書いてたら、さすがにもうお互い知らんことはないよな……と思ってましたが、全然そんなことはなかったです。母が入院していたとき、車いすでドライブスルーに突撃していたという衝撃のエピソードを最近知りました。長期入院って人をおかしくするけど、必死なんだよねという話。
これを書いたら、いろんな人から「うちも長期入院してたとき、こんな寄行をしたよ」というどうしようもない笑い話がたくさん届きました。
9月は「みんなのもうあかんわ」が更新できなかったので、今月は紹介したいと思います。文字職人のみなさんも!
あと「キナリ杯の投稿作品全部読む」も止まっていて、ごめんなさい。これも今月には読み進めます。何年待たせているんだ……。
今月の抱負
一年近く続いていた昼夜逆転生活(深夜3時に寝て、昼12時前に起きる)がようやく戻ったかなと思ったら、油断すると深夜3時です。よろしくない。
一年かけて狂ったリズムは、一年かけて直さないといかんのかな。
でもまずは2時に寝る、1時に寝る、といった感じでジワジワと、城の外堀を埋めていくように攻め込んでいきたいです。
昼夜逆転が治ると具体的になにが良くなるのかがわかってないのが、あれなんですが。きっとなんか、いいことが起こるんでしょう。たぶん。