新作を月4本+過去作400本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚のような存在なのです!いつもありがとう!【有料部分の感想や一部引用を、SNSなどで投稿してくださるのも大歓迎です★】
岸田奈美|NamiKishida
年末のある日とつぜん、部屋の天井が落ちて、上階の汚水が流れこんできたときの限界記録。
比較的多くの方の目に触れてしまったnoteを集めました。
母が心内膜炎で入院、祖母は認知症が悪化、犬は大暴れで……岸田家の危機に、祖父の葬儀、鳩の襲来などが続々と!「もうあかんわ」と嘆きながら毎日更新した2ヶ月の記録。ライツ社から発刊した同名の書籍に収録していないエピソードも。(イラスト:水縞アヤさん)
NHK BSプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の原作エッセイ・撮影現場レポートのまとめ。ドラマは“岸本七実”が主人公のトゥル〜アナザ〜スト〜リ〜なので、読んでから観ても楽しめること大請け合い!
実家のクローゼットの奥底から、写真アルバムが発掘された。 「Family」とプリントされた表紙のそれをどれどれと開いてみると 家具が盛大にひっくり返った写真ばかりで、こっちがひっくり返るかと思った。なんなんだ。家族を現代アート風に解釈した先鋭的なアルバムなのか。 母に聞くと 「阪神大震災の直後の家やわ。片づける前にパパが“今のうちに撮っとくんや!こんなん、なかなか見れへんぞ!”って言うから」 わざわざ一眼レフを探してフィルムを入れ、現像までしたというのだから、まあな
キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代8月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろしです。 その日、母が用意した夕飯は、久々のごちそうカレーだった。 ごちそうカレーとは、岸田家の各々がごちそうと認定するおかずを、心の向くままに好きなだけトッピングできるカレーのことである。まず一人につき一皿、ふつうのカレーが配膳される。ルウの箱裏面に印刷されたレシピどおりに母が作る、ふつうのカレーだ。 「いただきまあす」 そろ
これまで6つのアルバイトを経験してきたが、そのどれもが、まともな結末を迎えなかったように思う。 温泉旅館の皿洗い、全国チェーン展開しているスパゲッティ屋の配膳、甲子園球場のドリンク売り子、医者が集まるシンポジウムの誘導、レンタルビデオ屋のスタッフ、個別指導塾の講師。 アルバイトをしなくなってもう10年近く経つが、いろいろやってきたもんだなあ、と感慨深い。いまも求人情報誌を眺めては、立派に働いている自分の姿を思い描くのが趣味だ。 実際、立派どころか「立つ鳥あとを濁さず」で
書きとうない。もうプロフィールを書きとうない。 イベントに出演するたび、どこかへ原稿を寄せるたびに聞かれる。プロフィールをくださいと。 はいはいちょっと待ってね、プロフィールね。ええっとどこにあったからしら、はいはい、これね。あらまっ、ちょっとこれ古いわね。新しい本も出したし、こういう賞もいただいたし、そうだそうだ、この役職は変わったんだったわ。 いろんなことが気になって書き直すのだが、 「わたし、これ、調子に乗ってない……?」 と思った瞬間に手が止まる。頭を抱えたく
元彼が結婚したらしいという話と、2億円に目がくらむ話と、一体いくらありゃ幸せなんだよと計算した話。
みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。 もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。 はじめた趣旨などはこちらから ヘッダーのイラスト……アヤさん 今週のもうあかんわ、いってみよ! ※掲載されたみなさんに「もうあかんわ特製ステッカー」を、毎週のMVPには「お見舞金 1000円(図書カード)」を差しあげます。掲載された人には、メールかDMで連絡がいくので、しばらくお待ち