1月の振り返り〜つまり明日も神頼み〜
きしだんわ、岸田奈美です。
2023年のスタートダッシュ、みなさんはいかがでしたか。進研ゼミ的な感じでクラスメイトに差をつけられましたか。瞬足は履いてますか。
つまずいて周回遅れぐらいの方が、いろんなものを眺められて落ち着くなあと思いはじめてきました。ともに周回遅れていきましょう。
そういうわけで。
筆舌に尽くしがたい事情(センシティブすぎてウケるので後日書きます)により、祖父のアルゴリズム葬儀から二年ほど経っても、一向に参る気配を見せられなかった、岸田家の墓参りに。
やっと、参ってきました。
母の手術と退院、弟のグループホーム入居、新刊発売、連続ドラマ化、報告することがたくさんありましたから。母がまだ遠出をできる体力がないので、アンバサダー選出方式にて、わたしだけ。
「なにから言おう……まずはじいちゃんとばあちゃんの息子が、ドラマで錦戸亮くんになるんやと……いや腰抜かすな……幽霊って足はないけど腰はあるんか」
だけども、納骨堂に向かう道中で、はっと思ったわけです。
わたし、今年、厄年やと。
アンバサダーに厄がつきまくってる状態で、参ってええもんかと。安らかに眠る祖父母のもとに、二年ぶりにノコノコやってくる孫が、特急呪物扱いなのはいかがなものか。
いつか占い師から言われた
「あなたの背後で、人間を死に至らしめる凄まじい不運の神と、絶世の億万長者にさせる凄まじい幸運の神が、常に取っ組み合いしています。不運の神の方がちょっとだけ強いので、ちょっとしたトラブルに巻き込まれがちです」
のお告げを思い出す。
このシバきあい只中の不運軍に厄年ブーストがかかったら、どうなってしまうのか。棚橋弘至が入団した新日本プロレスみたいになってしまうのではないか。移籍したせめて綺麗な体で参るべきではないのか。
というわけで。
急遽、バスを乗り換えて、八坂神社にきました。
本殿から発せられるいい感じのパワーっぷりに、ピントの合わないわたしが霞んでいます。何度撮ってもこれでした。期待できる。
厄除けをしてもらいました。
儀式の前に、首から紙のネックレスみたいなのかけてもらって嬉しかったんだけど、あれ、納めた金額によって色が違うんだね。赤色の人を見ると「2万円……2万円の人だ……」とか思っちゃって、雑念がすごかった。
というわけで、神社と納骨堂のはしごという、八百万の神の国を体現するような年始を過ごしまして、今年もみなさんとね、元気で愉快にやっていきたいもんですね。
さ、いろいろ、あります。
毎度のことですが
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岸田家(わたし、母、弟、ばあちゃん、梅吉)の収入の9割を占め、リアルに食い扶持となっているのが『キナリ★マガジン』の購読費です。
みなさん、いつも支えてくださって、ありがとうございます。
【告知】3月22日、講談社から新刊が出ます
文芸誌『小説現代』で連載していたエッセイ『飽きっぽいから、愛っぽい』が、2023年3月22日(水)発売です。
SEKAI NO OWARIのメンバーで作家の藤崎彩織さんと、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんが推薦文を書いてくれ、なんとついこの間、作家のリリー・フランキーさんもサプライズで送ってくれましたので、発売版の帯には全部載ります。えっ。
noteで書くエッセイとは、一味も、二味も、違うように書きました。どんなんやろと思う人は、一作目がここで全文読めます。
発売日のあとは、全国(いま決まってるのは東京、名古屋、大阪、京都、神戸、和歌山、博多……呼ばれたらできるだけ行くようにしてます)の書店でサイン本つくったり、サイン会をさせてもらいます!会おうぞ!
【告知】5月14日、NHKプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」が始まります
これはもう……寝ても覚めても、まだまだ実感がわかないですね。どうなってしまうのか。台本を読ませてもらったんですが、おもいっきり拍手です。
2023年5月14日(日)から夜10:00からBSプレミアム・BS4Kで放送スタート、全10話予定です。
こんな経験初めてなので、みなさんと一緒に楽しみを味わい尽くしたい!
[告知]弟が数字と絵を描いた手帳を売ってます
ほぼ日手帳の4月1日はじまり版の販売がはじまりました。
2ヶ月ほどかけて、ゆっくり、もっさり、弟が描いた数字がそのままカレンダーになったデザインです。売れると印税が弟に入ります。去年はそれで映画に行って、今年はなにに使うか聞いたら、マフラーがほしいそうです。冬が終わるど。
ちなみにわたしは、5年ほどほぼ日手帳weeklyを使っていますが、かばんやポケットに入れやすい細さがいいんですよ。
手帳ではなく、エッセイの下書きや雑談のメモ書きにつかってます。どのページに書いたかで、だいたいいつ頃の話なのかがわかるのが良い。
弟バージョンの手帳を買うと、もれなく、わたしとおそろいになります。
[近況]4月の下旬、ニューヨークへ行きます
総胆管結石が悪化して、もうちょっと発見が遅かったら死ぬかもしれんかったという事実と、年越しを病院でせなあかんという悲報に、ベコベコにへこんでいた母。
わたしは言いました。
「元気で帰ってきたら、ニューヨークや!ニューヨーク行こ!」
こちらのnoteを覚えておいででしょうか。
母にとってニューヨークとは「障害があっても、それをどう捉えるかは自分の居場所で決められる」と教えてくれた、大切な場所です。英語まったくしゃべれないのに。短大は英文科卒業やのに。
毎度のことながら、わたしは衝動で口走り、あとから真っ青になってつじつま合わせに走る女であります。言って、母の目を輝かせてしまった以上、今も「なんであんなことを……」と天を仰ぎながら走っている最中です。
ですが!
4月19日から23日の間、ニューヨーク行きが決定しました。
弟も行きます。初海外です。岸田家に縁の深い現地の方の力を借り、まだ告知前ですが、21日は100人規模の講演会もさせてもらうことに。つ、つじつま……つじつまが……合っていく!
ウキウキでしたが、円安を忘れていました。航空券の値段を見て、思わず笑ってしまいました。どうするの。
あいも変わらず、キナリ★マガジンのみなさんが頼りです。ニューヨークに着いたら、noteやら配信やらで、あっちから手を振りますね。
1月に書いた記事のまとめ
↑映画「THE FIRST SLAM DUNK」があまりにも良すぎて、井上雄彦さんの元編集者でもある佐渡島庸平さんと公開対談したら、感情と好奇心がぼろぼろあふれてきて書いた感想。読んでもらえて嬉しかった。全文無料。
↑ドラマ化が決定するまでの、偶然と深い愛の舞台裏話。これ勝手に書いたら怒られるかなあ、まあ、黙っとこ、と思って書いたら、ばっちり脚本家さんが読んでました。でも泣いて喜んでくれた。マガジン限定。
↑10年に1度の大寒波の京都を歩いていると、ホームレスのおじさんに出会い、MOTHERの話をした。大切な夜のこと。マガジン限定。
わたしの大学時代の友人が、もう10年以上も大阪の西成区でホームレスの方々の支援をしているんですが、わたしのnoteを読んで寄付をしてくださった人がたくさんいたそうです。ありがとうございます。
↑ちょっと地味な空気のnoteではありますが、新しいことに挑戦しよう、と思っていろいろ考え、フィードバックをもらいながら書きました。
キナリ★マガジンの読者さんへ
1月に書いたものは、それまでに比べて、けっこうマジメなことも書いたように思います。無理に笑ってもらおうとせず、じっくり、考えてることを出そうとしたことも。
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週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。