【まとめ】12月の岸田奈美
ごぶさたしてます、岸田奈美です。
子どものときから困ってんだけど、人間と雑談ができなくて。
うまいこと話題を投げたり、相槌を打ったり、そういうのがもう、ずっと大縄跳びなんです。
ターンッ!ターンッ!ターンッ!
岸田っさん!おっはいんなさい!
入れねえ。
みんなが雑談という名の大縄跳びを、軽やかに飛んでいる。もうこっちはね、必死で突っ込んで、足あげて、死のタップダンスで。
死のタップダンスを踊る者が、雑談を楽しめるはずもなく。休み時間とかお昼ご飯とかもう、怖かったなあ。
飛べてる!?わたしいま飛べてる!?
かといって、一人ぼっちも、さみしかったなあ。
そしたら、こないだ編集者さんから、
「岸田さんが書く文章って、なんていうか、雑談ですよね」
起承転結がなくて、急に始まって、曲がりくねって、わけのわからんところに着地する。つまりそれは雑談。
あー、わたし、やりたかった雑談、やってたんだなあ。
雑談みたいな文章を、聞いてくれる人のおかげだなあ。
ありがてえなあ。
じゃ、外でむりやり、がんばんなくてもいいや。大縄跳びを、とりあえずボーッと観察してみようや。言えないことは書けばいいや。
そんな風にね、思えて、ちょっと楽になりましたとさ。
毎度のことですが
生きるための恥さらしエッセイ『キナリ★マガジン』の購読するなら、月の初めがおすすめ!
過去350本&新作4本が、1,000円で読み放題!
岸田家の食いぶちです。
今月は売上で、弟が暮らす福祉グループホームの入居者さんと、スタッフさん全員に、クリスマスケーキを差し入れます。
いつもありがとね。
12月に書くこと
ちょっと今月は特殊で、書くことだいたい決めました。えらい。
あのですね、実は来週、家族でホノルルマラソン走るんですよ。
仕事と取材と因果がありまして。
言ってなかったけど。
気が重すぎて。
マラソン、だいきらいで。なんであんな……セリヌンティウスも発電機もないのに、ただひたすら、なぜ走らねばならんのだ……。
ごねにごねて、10kmマラソンにしてもらいましたけど、家族のなかでわたしだけもう、始まる前からえづいている。どうなるんだ。
生きてゴールまでたどり着いたら、なにかしらを書くと思います。
書かなかったら、察してください。
11月に書いたもの
32歳ではじめて運転免許をとりにいった、自動車教習おかわり列伝が完結しました!こんなもんを最後まで読んでくださって、ありがとう!
免許証を印籠のように輝かせながら、ボルボ240を買いました。
ボルボ240は家にきた瞬間に、ぶっ壊れてレッカー移動になりました。
いちばん読まれた記事はこちら。弟が知的障害の検査を受けることになって、今さら障害って治るのかしらと思ったときのこと。
文庫本「弟は僕のヒーロー」の解説を書きました
イタリアに住むダウン症の弟と兄の、おもろくてあったかい物語です。文庫版解説を書かせてもらいました。人生初です。
めっちゃくちゃ素敵な、友だちになってくれるような本だったので、解説という名の感想を書かせてもらえたことが、とても光栄です。
ダウン症の家族をもつブラザー&シスターは、「そうそうそう!」って膝を打ちながら、笑えるんじゃないかな。
みんなに読んでもらいたいです。
NHK中央放送番組審議会に入りました
ごっつい、たいそうなお名前の会に、入れてもらいました。毎月NHKの番組や構成を見て、委員の人たちと意見交換するという。
意見は、全国的に公開されるらしいです。
NHKの番組すんごい好きで、語りたいけど誰とどこで語ったらいいかわかんなかったので、わたしにとっては渡りに船でしかないよね。
11月は河合優実さん主演「神の子はつぶやく」について話しました。
12月の注目番組は、やっぱこれですよね。
わたし原作のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』と同じプロデューサーの制作です。
予告で見たキャスティングと演出からもうすごいよね、これきっと。
秋の終わりはだいたいしんどい
11月はねえ、怠惰の極みでしたね。
のろのろ起きて、ソファで横になって、なんか食べて、さあ頑張ろって思っても集中できなくて、気づいたら漫画とかドラマばっかみて、スマホさわって、明け方に寝落ち。
「あかんあかん!今日はがんばろ!」
って思っても、なんか、気づいたら低空飛行で。墜落寸前。
ここから先は
岸田奈美のキナリ★マガジン
新作を月4本+過去作400本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚…
週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。