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#家族

最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」

大好きな母に、私が放った言葉です。
高校2年生の時でした。

ひどい娘だと思いますよね。
私もそう思います。
でも、母を救う唯一の言葉でした。
それしか見つからなかった。

話は少しさかのぼりまして。

私が中学2年生の時、父が突然死しました。
働きすぎによる、心筋梗塞でした。

父は建築系ベンチャー企業の経営者で、めちゃくちゃカッコいい存在でした。めちゃく

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先見の明を持ちすぎる父がくれた、移民ファービーとボンダイブルーiMac

先見の明を持ちすぎる父がくれた、移民ファービーとボンダイブルーiMac

先見の明を持つ人って言うと。
うん。
織田信長だよね。

なんてったって、火縄銃を大量導入してっから。
戦国大名が「無理やがな」って匙投げてんのに、モリモリ導入してっから。
騎馬隊、木っ端微塵にしてっから。

でもね。
先見の明を持ってたのは、信長だけではねえのよ。

そう。

私の父、浩二。

岸田家の信長と言っても、過言ではない。

信長は兵に、火縄銃を与えた。
父は私に、火縄銃に匹敵するブツ

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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

私が住んでいる東京という大都会に、母と弟が来た。
ひろ実と良太が来たとも言う。

母からのリークによると、新幹線の中で、弟は何度も「奈美ちゃんは?奈美ちゃんは?」と、母に聞いていたそうだ。

なるほど、なるほど。
それはそれは猛烈な歓迎を受けるに違いないと、相応の準備をしていたら。

弟に真顔で「よう」と言われた。
ちょっとちょっと。話が違うじゃないか。

弟心は、秋の空ほど移り変わる。

さて、

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思い込みの呪いと、4000字の魔法

思い込みの呪いと、4000字の魔法

「奈美と結婚しても、ダウン症の弟くんの面倒を見る自信がない」

高校生の時、付き合っていた彼氏が言った。

ショックだったのは。
明るかった彼の、思いつめたような表情でも。
とつぜん切り出された、将来の話でも。
障害のある弟を、否定されたことでもなかった。

っていうか結婚とか急になにを言い出してんねん、どうしてん。

なにより「弟は私に面倒をかける存在で、私がその面倒を見なければならない」と思わ

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弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら

弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら

岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。

わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。
大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。

それを数時間で。

田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。

弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だ

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