答えの数だけさみしい(今ここにいる君のこと)
医療について、岸田奈美が考えながら、しばらく書いてます。
きっかけは2025年2月21日のエッセイから
そのニュース記事をわたしが読んだのは、発表されてから、一日近く経ってからのことだった。深夜に茶をしばいた友人から「そういえばアレすごいよね」と教えられたのだ。
なんということだ。道を歩いていても、信号待ちをするたびにXのアプリを開くようなわたしが、3.2万回もリポストされたニュースを、目にしていないとは!
わたしはダウン症の弟のことをよく投稿してるので、Xの方だって、こう、アルゴリズム的なかしこさで、真っ先に差し出してくるだろうに。おかしい。
天使か何かが、王蟲をかくまうナウシカのごとく、
「見ちゃだめ〜〜〜〜ッ!」
と、やってくれたのだと思う。
わたしは、心がやたらにかき乱されるだけで動けなくなるニュースには、できることなら出会いたくないと、ほんのり、こっそり、願ってるので。
けど、王蟲、出てきちゃった!
読んだ。
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週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。