蜃気楼に浮かびし10畳の楽園(姉のはなむけ日記/第2話)
ダウン症の弟が入居できるグループホームの空きが、やっと一箇所出たかと思えば、塩対応というか山椒対応というか小粒でもピリリと辛いどころか「収入が減るから土日の外出は許さねえ!」的なギッチギチの世知辛さをお見舞いされたのだった!
母のヤケクソ焼きは牛肉ヒレ、豚肉ロース、安納芋と三日も続き、レパートリーを着々と増やしていた。気持ちはわかる。
ふたたび一年、いや、三年。
空きが奇跡的に出るのを待つ日々に戻るのだ。
さて今日はなにを焼いたろか。魚か。干物か。母がガックリきている