新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬(限定公開)

2021年7月6日22時〜7月7日22時まで、このnoteでは

・わたしが新型コロナウイルスワクチンを接種したこと
・それをツイッターに書いたら、一部の人から批判を受けたこと
・その内の一人(Aさん)と話をして、事情を聞いたら、とある経験からAさんは医療に強い不信感を持っており、わたしの過去と重なったこと
・ワクチンを打つ、打たないにかかわらず、すべての選択にはその人にしかわからない真実があり、想像力を持って接しようと心に決めたこと

を、Aさんから承諾をいただいた上で、24時間限定で全文無料公開していました。

たくさんの人に読んでいただきましたが、現在はキナリ★マガジン(有料定期購読マガジン)でのみ、限定公開に切り替えています。

わたしの経験上、SNS上で記事が広がって、引用や転載が増えていくと、中身を読まずに議論がなされたり、望んでいない方向に爆速で作用してしまったりして、しんどい思いをすることが多いので、Aさん、わたしの家族、そしてわたし自身のために限定公開としました。

記事を読んで、広げてくださった方へ

限定公開するには長文で、わたしの悪い癖である冗長な言い回しなども多分にあったと自覚していますが、それでも目を通してくださり、誰かに伝えたいと思ってくださったこと、心から感謝いたします。

数時間後にはみんなが無料で読めなくなってしまうものを紹介するのは、きっといろいろなご負担をおかけしてしまったのではないかなと思います。それでも、わたしが書いたもののどこかに共感をしてくださったということは、みなさんも、同じようなつらく、傷つく経験をされたのではないでしょうか。大変な日々が続きますが、どうか、どうかみなさんがご無事で、その優しさが多くの人に受け止められる未来になるように、祈っています。というか、いい人ばっかりやなと思ったので、みなさんのためにわたしも頑張ります。

・公開されていた文章をコピーして、個人で読み直したり、家族や友人などに内々でシェアする
・印刷して学校の授業などの公的な目的で使用する

需要は不明ですが、このようなことはぜひにと思っています。報告だけこちらからいただけますと幸いです。

読みにきたら、読めなくなっていた方へ

「なんやねん」と思われたことと思います、本当に申し訳ありません。

有料の限定公開になってしまいましたが、理由は上記の通りで、この記事でお金儲けをする気はまったくありません。いただいたお金はすべて、わたしなりにできることとして、新型コロナウイルスの予防対策や医療従事者の皆さんを応援する発信/創作の取材費や先方への協力費に充てさせていただきます。Aさんや、先生にも会わせていただくことになりそうなので、その時の交通費などにも。

キナリ★マガジンは、岸田奈美の作家活動を応援し、日々のなんてことないエッセイをおもしろおかしく読んでくださる方向けのサービスなので、無理にこのためにご購読いただく必要はありません。

記事は全文、今秋、小学館から発売予定のエッセイ新刊に収録予定ですのでよかったらそちらのご購入や図書館での貸出など、お待ちいただけましたら幸いです。(本当はもうゲラも上がっていたのですが、急遽、差し込んでくださることになりました)

「それはともかくお前は誰やねん」という方、ごもっともです、わたしは岸田奈美と申します。詳しくはこちらをご覧ください。


ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬(本文)

お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。

心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。

その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定の避難訓練というか、とにかく「そうはならんやろ」と言いたくなるような想像の産物なので、母はだいたい「そうはならんのですよ」と先生に笑われて、すごすごと診察室をあとにすると言う。

「もう病気はいやや、ピンピンコロリがいい」

母が電話で、さめざめと泣いた。

「すでに病気で二回死にかけとるから、あなたの場合はピンコロ ピンコロ ピンピンコロリやで」

内容のない励ましを送ってみたところ

「なるほどお!」

と母は納得した。そんなもんである。



家族がコロで命拾いをしているうちはまだいいが、コロリになったらたまったもんじゃないので、できる限りことはしておこうと、我が家は全員がコロナウイルスのワクチンを打つ方針を固めた。

最初に79歳のばあちゃんが受けて、その次が母を飛び越し、意外にもわたしに順番が回ってきた。

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岸田 奈美

手術終わって元気になって帰ってきた母と、うまいもん食って、きれいな海を見に行きます。毎月、家族で楽しく暮らすいろんなことに使わせてもらっているので、使いみちはnoteで紹介します。

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