見出し画像

ユーモアでチャーミングな本は、いらねが(もうあかんわ日記)

毎日だいたい21時更新の「もうあかんわ日記」です。もうあかんことばかり書いていくので、笑ってくれるだけで嬉しいです。日記は無料で読めて、キナリ★マガジン購読者の人は、おまけが読めます。書くことになった経緯はこちらで。

昨日は、満を持して「マイノリティデザイン」という本を世にジャジャジャジャーンした、澤田智洋さんと対談だった。

大手の広告会社でバリバリのコピーライターとして働いていた澤田さんの人生は、目が見えない息子さんが生まれた瞬間、一転した。

最初は、暗く悪い方向に。でもそれは一瞬だけで、すぐに明るくおもしろい方向に。

「すべての弱さは、社会の伸びしろ」っていう、かっけえ澤田さんがつくりだすプロジェクトは、マジでぜんぶおもしろい。

これとか、最高なのよ。

「ハンぎょボールは、得点をすると脇に抱えたブリが出世していきます。ゴールを決めたらみんなで『出世〜ッ!』とコール。熱くなりすぎて、大事なブリを落とすと冷蔵庫送り。チームメンバーみんながブリに出世するように協力してプレーしましょう」

なんなん?



心のなかの藤井風が叫ぶけども。これはぜんぶ、体質や障害でスポーツが苦手な人たちでも楽しめるようにつくられた、ゆるスポーツ。

逆に、ハンドボールが上手で運動神経がいい人ほど、小脇にかかえるブリがでっかくなっていって、不利になるっていう。


天才か?


まごうことなき天才かつ世を良くする龍馬イズムの持ち主なので、ただ自分のことばっか書いてるわたしとは一線を画しているので、なんで呼ばれたんかわからんかった。

「なーんでわたしを呼んでくださったんですかね」

「ぼくね、弱さを追い風に変えるには、ユーモアチャーミングがいると思うんですよ」

「かっけえな」

「で、それをやってるのが岸田さんだと」

「ユーモアと……チャーミング……」


ユーモアとチャーミング!?


どうもこんにちは、ユーモアとチャーミングのある女です。

ものすんごく嬉しかったので、これから積極的に自己紹介していこうと思う。話は聞かせてもらった、そういうことなら出演させてもらいましょう。

画像1

リハーサルの段階で、部屋の扉に張り紙したにもかかわらず、ばあちゃんが三回乱入したけど。(一回目「あんたなにしとんねん!」、二回目「これ卵炒めたから食べ!」、三回目「なんで食べてへんねん!」)

ばあちゃんを世間から隠すための、急遽バーチャル背景に幡野さんの写真を使ったら、肩にミニ奈美がずっと乗ってるビジュアルになったけど。

とても、楽しかったです。

参加してくれた人、質問してくれた人、みんなありがとうねえ。

マイノリティデザインっていう本は、苦手とか、できないことがあって、自信をゴリゴリ失ってる人の心をゆるくほぐしていく言葉でできてる。

そのなかでわたしが一番好きな、「迷惑について」の言葉。

迷惑とは、あるいは弱さとは、まわりにいる人の本気や強さを引き出す、大切なもの。

だからこそ、お互い迷惑をかけあって、それでも「ありがとう」と言いあえる関係をつくれたなら、これ以上の幸せはありません。

僕は、これからも大切な人から迷惑をかけられたい。代わりに僕も「息子が暮らしやすい社会を、一緒につくってくれない?」とだれかに迷惑をかけるかもしれない。


わたしね、ずっと、特に解決策がほしいわけじゃなくて、聞いてほしいだけの弱音や愚痴を吐くことって、迷惑だと思ってた。

でも聞いてくれる人がいないと、「理不尽」は「祈り」や「笑い話」に変わってくれない。迷惑だと思いつつ、もうあかんわ日記を書いてる。

すぐ近くの知人や友人に吐かないのは、迷惑をかけたくないから。noteなら、読みたい人だけ、読んでくれるから、それいいじゃんって。

そういう話をしていたら、イベントのあと、「マイノリティデザイン」をつくったライツ社の大塚さんからリプライをもらった。

このあとちょっとお話しましょうということになり。

そしたら、

「大変すぎる状況なので失礼かもしれないんですが」

「存在自体が礼を欠いてる人間なので、なんでもどうぞ!」

「この日記、本にしませんか」


「えええ」

本になるほど、人気のある日記。

思い浮かんだのは、土佐日記。徒然草。蜉蝣日記。いやいやいや。クオリティが違いすぎる。あれ一千年くらい残っとるぞ。これ残るんか。残らんやろ。西暦三千年の人が「スリの銀次」ってわかるんか。そのころまだ、桃太郎電鉄あんの。いやあるとしても、たぶん現金持ち歩いてないから、スリの銀次は廃業やろ。

「いやいや、これほんと、ただの日記なんで。構成とか全然考えてないし、どうかと思う愚痴ばっかだし」

「それでも、読んだ誰かが救われる日記なんです。というか僕が本で読みたい。手元に置いておきたい」

ええ人かて。


そういう話はまったく考えていなかったので、その場はとりあえずお開きにして、考えさせてもらうことにした。

わたしは、インターネッツに文章を書き、サポートやマガジン購読で応援してくれる人たちがいるので、実は本の印税がなくとも、定食を食べて暮らしていける。印税をボルボにぶっ込むくらいなので。

だから、本が売れるかとか、お金が入るかとかは、マジのガチでどうでもよくて。

やるとすれば「これが本になることで、だれかの力になれるか」の一点で。

澤田さん風にいうなら、わたしの弱さが、だれかの強さを引き出せるか。

わたしじゃわからんので、ちょっとみんな教えてほしい。


いいんじゃねって思ったらコメントとか、めんどかったらハート押すとか、してくれないかい。

ちなみに、本にする原稿はすべてネットでも読めるようにしておくよ。読めなくなることはない。

でももちろん、それはどうかなって人もいると思うのね。この日記は本にするより、ネットで風化させて供養した方がいいとか。(そんな思想強めの読者さんおるんかな、おったら挨拶したい)

あと本にするって、縦書きにして加筆する作業が発生するので、そんなことしとるヒマあったら新作書いてほしいがな、とか。

なんにせよ、この日記を本にするとしたら、岸田のためではなく、だれかのためなので。


自分で決めんかいというところだけど、本件は、読者さんに判断をゆだねたい。いつも日記のいいねが1500くらいだから、2000越えたら、しようかな。

みんな、いつもすまんね。ありがとうね。



↓ここから先は、キナリ★マガジンの読者さんだけ読める、おまけエピソード。

「聞いてアロエリーナ、ちょっといいにくいんだけど」

っていうCMがあった。

ちょっと前だとは思ってたけど、いま調べたら、20年前らしくて、そっと眠りたくなったよアロエリーナ。

ここから先は

1,145字

新作を月4本+過去作400本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚…

週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。