今週のもうあかんわ「負けすぎている父の馬券」
みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。採用されたら図書券やステッカーをプレゼント!
もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。
今週のもうあかんわヘッダー文字職人
りく さん
小学五年生です。支援学級で勉強頑張っています。将来は新幹線の運転手になりたいそうです。今回文字を書かせていただき、ありがとうございます!
週替りで、ヘッダー画像を選りすぐりの文字職人(知的障害・発達障害のある人)にお仕事として書いていただきます。どんな「もうあかんわ」が見られるか、お楽しみに!
今週のMVP:負けすぎている父の馬券(ゲラゲラ)
今年の2月に父が他界した。58歳。心不全だった。
波瀾万丈、ギャンブラーだった父。自営業で一生懸命踏ん張ってきた中には、詐欺にもあったし、巻き返しもした。本人が愉快爽快なので私はそういう父親がいたって良いだろうよ、と思っている。
コロナ禍にも関わらず、葬儀にはたくさんの方がかけつけて下さった。父に優しくしてもらったのだと涙を流しながら言われれば、58年の中には色々な愛がつまっているんだ、と優しい気持ちになれた。
最近新たに父の遺品が出てきた。50万が賭けられた競馬の馬券だった。
他にも賭けてる。めっちゃギャンブルやってめっちゃ負けてる。ギャンブルが良い悪いは置いておく。残しておくものがやばすぎる。家族も色々大変だったから当然呆れてる。
でも父がどうせ笑ってる。私も笑おう。
岸田より
負けた馬券って大抵、投げるか捨てるかすると思うんですよね。しかも大金負けなんていい思い出じゃないし。なんで取っておいたんだろう、と想像を巡らせるといろんな物語が目に浮かびます。
切ってしまったチェーン(モクモク)
スーパーで買い物を終え、自転車の鍵を刺すとビクともしない。壊れてしまったのか。
我が家への帰り道の途中には、幸運なことにも自転車屋があった。なんとか後輪を持ち上げて運び、自転車屋に持っていくと、変形しているのか、鍵がハマりもしないと。
工業製品なのでこういうハズレもあるのかなと、鍵を切ってもらった。
翌日、開店前のスーパーの前を通ると私の自転車がポツンと。私は別の人のそっくりな自転車の鍵を切ってしまった。そのあとは色々と大変だった。
岸田より
なんて謝ったんだろう……。「おたくの鍵を間違えてブッたぎってしまいました」的な感じなのかな……。ってか自転車屋さんも気づかないもんなんですね、このパワー系ソリューション。
見た目は普通(黒潮タラ夫)
先日、ナイト用の下着(ゴムがダルダル)にて会社に出勤してしまいました。
車通勤では大丈夫だったのですが、得意先に打合せに向かうと・・・重力に完全に敗北し、ものすごくローライズ化した下着に。見た目は大丈夫ですが心の中では「もうあかんわ」エンドレスに流れ続けました。
打合せ終了後、速攻で店に飛び込み履き替えました。昼間はもうあかんパンツですがナイト用ではまだ一軍です。
岸田より
「ナイト用」という謎のお上品さでギリギリ持ちこたえているバランスが最高。ゴムがダルダルなのに。でもダルダルになるほど一軍に残り続けるんだよな。めちゃめちゃ太ってお腹が出てるけどホームラン打ち続けるスラッガー的な。
記憶にございません(方向音痴の伝書鳩)
主人が、Netflixで映画を観ようとしていたので、2、3日前にわたしが観たオススメを教えてあげようと思った。
「あれ面白かったよ!えーっと……」
タイトルが思い出せない。
「どんな内容?」
いくら考えても、内容も思い出せない。
「中井貴一さんが出てるやつ」
悔しいので調べてみたら『記憶にございません!』って映画だった。
岸田より
お後がよろしいようで。
そういう時に限って(多田和香奈)
家から100mぐらいのとこにあるスーパーに車で行って、車で行ったことを忘れて歩いて家に帰ってきて。
車ないやん!誰かに盗られた!?と、一瞬焦ってから冷静になって、またスーパーの駐車場まで歩いて戻る。
なにしてんのやろ、私。そういうときに限ってアイス買ってるんな。
岸田より
「アイス買ってるんな」が好きすぎて、何度でも言いたくなる。買ってるんな。最高の脱力具合。世界は愛しいマヌケであふれている。