マガジンのカバー画像

岸田奈美のキナリ★マガジン

新作を月4本+過去作300本以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚のような存在なのです!いつもありがとう!
¥1,000 / 月
運営しているクリエイター

#姉のはなむけ日記

姉のはなむけ(姉のはなむけ日記/最終話)

季節が変わった。 朝、目が冷めた瞬間、汗ばんでいないことに気づいた。あんまり暑くない。こ…

お金では手に入らなかったもの(姉のはなむけ日記/第22話)

しゃべりが、達者になった。 週末、実家へ帰るごとに、おどろいてしまう。弟のしゃべりが、目…

亀の名は(姉のはなむけ日記/第21話)

グループホームに看板がついた。 なかの工芸のお父さんと妹さんが、車で運んで、スコップかな…

こちょこちょ(姉のはなむけ日記/第20話)

弟の電話は毎晩、続いていた。 「あのな、あのな、あのーな!」 からはじまり、興奮している…

さみしさはまぶしい(姉のはなむけ日記/19話)

母とわたしと弟と、そろって晩ごはんを食べた。 そのあと弟は、お風呂に入った。シャワーの音…

伝説のワンメーターガール(姉のはなむけ日記/第18話)

弟がグループホームへ本入居する、前日。 今までは二泊三日、三泊四日と、少しずつグループホ…

通報する神あれば、親切する神あり(姉のはなむけ日記/第17話)

弟がグループホームへ本入居することに決まったので、そうと決まれば、いろいろと決まりごとの確認や、送迎車もドライバーさんの募集をしなければ。 わたしと母と弟で、再び、グループホームを訪れた。 中谷のとっつぁんと、スタッフさんたちが待ってくれていた。 他の入居者枠も、あっという間に埋まってしまったそうだけど、今日はまだ誰もいなかった。 こういうちゃんとした場に座ると、弟は姿勢を正して、やや顔がこわばる。 「良太さん、なに飲みます?」 「あー……じゃあ、ぼく、お茶を、お

こんなふうに生きられたら(姉のはなむけ日記/第16話)

一ヶ月間の、弟のグループホーム体験入居が終わった。 「良太。ほんまに、あそこで暮らせそう…

ギンギラギンの26歳男児(姉のはなむけ日記/第14話)

体験入居中のグループホームへ、もう行かないと宣言する弟。いままでの苦労が水のバブルになる…

細川たかしはここにいたい(姉のはなむけ日記/第13話)

弟の、グループホームでの体験宿泊がはじまった。月曜日から、二泊三日。 部屋に貼ってあるカ…

最低限!刺激的ビフォーアフター(姉のはなむけ日記/第12話)

弟の体験入居の日が、目前まで迫っていた。 一ヶ月間、グループホームでためしに暮らしてみて…

看板バ バン バン バン ハァ〜ビバノンノ(姉のはなむけ日記/第11話)

とうとう、近隣住民の方とわたしが直接会うことはなかったが。 「鍵や扉はなくていいが、敷地…

ボケ続ける世界で生きてゆく(姉のはなむけ日記/第10話)

課題がポンポコと出てくる新しいグループホームに、弟を送り出してよいものか。 どんだけ悩ん…