今週のもうあかんわ「卒塔婆スキー」
みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。
もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。
はじめた趣旨などはこちらから
ヘッダーのイラスト……アヤさん
今週のもうあかんわ、いってみよ!
※掲載されたみなさんに「もうあかんわ特製ステッカー」を、毎週のMVPには「お見舞金 1000円(図書カード)」を差しあげます。掲載された人には、メールかDMで連絡がいくので、しばらくお待ちください。
今週のMVP:卒塔婆スキー(ソトバスキー)
数年前に亡くなった祖母の話を、お盆に思い出したので。
祖母(昭和一桁生まれ)は、幼少期にスキーをしたことがあるそうだ。
昭和初期のスキー板ってどんなものだろうと思ったら、お墓の卒塔婆(墓石の後ろに刺さってる板)を足にくくりつけて、滑っっていたらしい。
あの世でバチに当たってませんようにと思いながら、今年もお墓参りへ行ってきました。
岸田より
ペンネームもソトバスキーなのでこの冥土からのエピソードで一本勝負!という気概が感じられて頼もしいのですが、知人の僧侶にたずねたところ、「僕らの世界では、卒塔婆だけはインスタ映えとか大喜利とかやったら、下山(破門)させられる」と震え上がっておりました。僧侶の世界ではないので、ギリセーフとのことです。よかったねえ。
見ず知らずの濡れた自転車(ゆかねーやん)
仕事終わりの雨の日。
自転車に乗って帰宅するためにカッパを着て、べっしゃべしゃに濡れたサドルをタオルで丁寧に拭いて、「さあ乗ろう!」と思ったら見ず知らずの自転車だった。
岸田より
シンプルにそういうタイプの妖怪。善行を積んだものの自転車を磨きにくる。
いざ、淡路島(ミイ)
ダンスの練習会があり、当日は「淡路体育センターに、18:00集合」という知らせがあった。
地方から大阪に出てきたばかりのわたしは、電車の乗り換えアプリで「淡路駅」と検索。Goolgle mapはまだメジャーじゃない時代だった。
淡路体育センターというからには淡路駅だろうと調べたが、出てこない。淡路で調べ直すと、電車と新幹線で一時間半もかかるルートを案内された。なにかおかしいと思いながらも、土地勘がなく方向音痴であるわたしは、指定された通りの電車に乗った。とりあえず行きながら考えようと。
「でも、なんで新幹線に乗せられるんやろか?」
不思議に思いながら新大阪を目指す道中で、ようやく気づいて青ざめた。
「これ、淡路島に行こうとしてる!」
慌てて引き返しながら調べ直すと、大阪にも淡路という地名があることを知った。一時間も遅れて到着したわたしをみんなが心配そうに出迎えてくれたが、恥ずかしくてとても淡路島に行こうとしていたなんて言えなかった。
岸田より
これは神戸に住んでるわたしでも最初、駅名のアナウンス聞いてびっくりしたからわかる……。わたしは兵庫県の三田駅に行きたいのに、いつも乗り換えアプリで検索すると、慶應ボーイ御用達の三田駅に案内させられるし、寝ぼけながら到着予定時刻見て肝を冷やしたことが何度もある。
お給料は闇のなか(アカン社長)
従業員4人の小さな会社を経営しています。給与計算から振り込みも私がやっています。
ある日、スタッフの一人から「あの……言いにくいんですが、今月のお給料が振り込まれてません」と言われ、慌てて確認した。
会社の商品をパクって退社し、以後音信不通の元従業員(毎年、車両税の未払いで税務署が会社に来るくらい金欠)の口座に、間違えて振り込んでました。
岸田より
伊坂幸太郎だったらこの冒頭から「消えた社員からどうやって金を取り戻すか」を計画し、どんどん登場人物が増えて伏線が張り巡らされていくタイプの話。
置き去りの忘年会(かなあや)
会社員だったころ、仕事納めと大掃除のあと、隣の市にある本社で忘年会があった。
本社までは車で30分ほど。先輩が車を出してくれると言うので、同僚たちと乗せてもらうことに。同僚のAさんが一度荷物を置くため、往復5分の自宅に徒歩で戻り、Aさんを待つ間に私たちは誰がどこに座るかのジャンケン。席順も決まり、先輩の車にお邪魔して、いざ本社へ!
出発して5分、皆で今年の仕事はどうだったと雑談してたら、先輩が
「………Aさんは?」と。
席順のジャンケンが盛り上がって、みんなAさんの事をすっかり忘れてました。
急いで引き返すと、Aさんは会社の駐車場で一人ポツンとつっ立ってました。その年で一番の謝罪をみんなでしました。
岸田より
よく置いていかれる側なので、あるっちゃあるんだけど、大人が雁首そろえて席順ジャンケンで盛り上がってるのおもしろい。修学旅行か。でも、そんな戦って勝ち取るほど座りたい席って、最近思いつかないからうらやましい。
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