東京新聞でも、世界ダウン症の日に大きな広告が出ます
3月21日は、世界ダウン症の日。
ボルボを買ったとき、みなさんにたくさんのサポートのお金をいただいたので、ダウン症の弟が楽しく図太く生きていくためになにかしたく、朝日新聞(東京版)で広告と取材記事を出してもらうことになった。
いっぱいの人にいいじゃんと言ってもらえて嬉しかったのだけど、なんと、このnoteにも数十名からのサポートが届いた。
「うちも家族がダウン症です、情報発信してくれて嬉しい!」「企画を応援します!」といった声も。
このお金はどうしようかなあと考えていると、いつも通り、願ってもないミラクルなお話が飛び込んできた。
東京新聞 広告局のクマさん(あだ名)から「キッシー、わたしたちにも協力させてください!」と連絡をいただいた。キッシーとはわたしのことだ。
と、いうことで。
3月21日、朝日新聞と東京新聞で、岸田家の全段広告が掲載されます!
※掲載エリアはどちらも東京都内
何度見ても、いいね…よすぎるね…!写真は幡野広志さん、コピーとデザインは橋本幸生さんと岩下智さん。
あまりにもよすぎるので、読者さん向けポストカードは800名、書店さん向けポスターは120店以上から、お申込みいただいた。うれしい。
今回、声をかけてくださった東京新聞のクマさんは、身体の10%が水分、90%が侠気(おとこぎ)で、できている人だ。辞書で引くと「困っている人を見ると、見逃せない気性」と書いてあった。
クマさんとかかわりはじめたのは、2015年。
当時、わたしはバリアフリーのアドバイスをするベンチャー企業で、広報のあれこれをしていた。
いくつか取材を受けるうち、障害者やバリアフリーの活動についてメディアで取り上げてもらうことに、嬉しくも、なぜかモヤモヤしはじめた。
「生活面や社会面で“福祉”の話題として取り上げてもらうと、限られた文字数の、一回こっきりで終わってしまう。美談や訴えが重視される。パラリンピックの話題は増えてきたけど、日常生活とアスリート生活はぜんぜん違う。リアルで、おもしろくて、読むだけでみんながちょっと嬉しくなるたっぷりの記事。そんなメディアがあったらいいな」
欲張りきわまりない理想を持っていたところ、クマさんが「東京新聞でやりましょう!」と言ってくれた。
気が遠くなるような社内調整の結果、生まれたのが「東京新聞 HEART & DESIGN FOR ALL」という企画。
これはWEB版だけど、2015年から今も、東京新聞の紙面では毎月1度、フルカラー全段というとんでもなく目立つスペースで、バリアフリー・ユニバーサルデザイン・ダイバーシティに関する企画記事を出している。すごい。そんなことやっとる新聞社、ほかに知らん。
わたしは会社員をしながらそこで、企画のアドバイスや、コラムの執筆などを手伝わせてもらっていた。
たとえば、東日本大震災や熊本地震が起きたとき、わたしが障害のある方々にインタビューし、災害時に困ることをまとめて、東京新聞でわかりやすく記事にしてもらった。
記事の取材や制作をする一人に、柳谷さんという記者さんがいるんだけど、切り口も、切実な思いを優しく聞き出す人柄も、本当にすばらしかった。
障害のある人だけじゃなくて、LGBTの人、他国籍やダブルの人、産後うつに苦しむ人、いろんな「生きづらさ」を感じている人たちを、同情的でも、悲観的でもなく、明るく、その人らしさを打ち出す言葉でつづっている。
わたしが特に気に入ってるのは、東京新聞 HEART&DESIGN FOR ALLがはじまった時に、掲載された一枚のイラスト。
鮮やかなこの一枚が、とても好きだ。ロングショットで見ると、にぎやかな街のワンシーンだけど、クローズアップで見ると、いろんな人たちがいる。当たり前に、自然にいる。
2015年から、「こういうのいいよね」と、確かめあって、喜びあって、少しずつ、少しずつ、進んできた東京新聞さんに、今度はわたしが弟のための広告を載せさせてもらえること、とっても嬉しい。
東京に住まわれている方々、ぜひ、3月21日の東京新聞か朝日新聞を手にとってください!
あと、わたしはなんでか実家におるので、実物を手にとれません。マジか。わたしのような哀れな地方民のために当日は、SNSで新聞の広告の写真をアップして知らせてくださると嬉しいです!(記事はダメだけど、広告はOKとのこと)
日本ダウン症協会のみなさんからも、ご協力いただきました
実は、東京新聞では、全段広告のほかに記念日広告というのも掲載してもらいます。
この「3月5日は産後ママスマイルデー」と書いてある、縦長のスペース。
わたしの本の宣伝に使っていいよとのことだったけど、せっかくだから、世界ダウン症の日についてもっとたくさんの人に知ってもらいたい。
そこで、ダウン症の人やご家族への情報発信を行っている、公益財団法人 日本ダウン症協会の方々に声をかけ、一緒に広告を出してもらうことになった。めちゃくちゃ急な話だったのに「やりましょう!」と快諾してくださって、嬉しかった。
コピーとデザインは、またもや橋口さんと岩下さんが協力してくれることに。みんな侠気でできている。
日本ダウン症協会さんが今年設定したテーマは「つながると、嬉しい」。
このつながりも、わたしたちはまさに、嬉しく思っている。
いろいろあるよ、3月21日
もちろんわたしの広告だけじゃなくて、3月21日 世界ダウン症の日に向けて、いろんなプロジェクトが進行している。
以前、わたしの赤べこコラボレーションしてくれた、障害のある人の異彩を放つアート集団(アート集団!?)ヘラルボニーのプロジェクトが、すてき。
「障害は、欠落ではなく、絵筆になる。」
昨年、惜しまれながら亡くなったアーティスト・八重樫 季良さんのドキュメンタリー映像が公開された。八重樫さんのアートが使われた蝶ネクタイは、弟がお気に入りの一品。
そんなヘラルボニーは、今年はNPO法人アクセプションズさんとコラボレーションし、ダウン症のアーティスト・谷田 圭也之さんの作品を起用したダイバーシティ東京プラザ限定のアートマスク、 アートTシャツも販売するそうな。わたし行けないから、どうか、みんなゲットしてほしい。アートマスクめちゃくちゃうらやましい。
3月21日、いつもどおりの世界が、みんなのちょっとした優しさで、ほんの少しでも明るくなりますように。