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【キナリ杯受賞発表】特別リスペクト賞③

特別リスペクト賞14「病理医ヤンデル先生賞」

医療や病理について書いている文章かと思いきや、才能が巨大すぎるか、瞬発力がキラーマシンくらいある文章に贈る賞です。病理医のヤンデル先生をリスペクトしました。

「たけのこの里の箱を見て、このハードルは何mなんだろう」と発想し、「たけのことハードルの高さを計算しよう」と検証するまでの意味のわからない流れがスムーズすぎて、笑ってしまう。しかも箱を見た瞬間に頭の中でnoteに書く文章が浮かんできたとのとこで、瞬発力まである。あっぱれ。

計算方法がガチなんですよ。なんかガチっぽい機械まで出てくる。なるほどこうやって計算するのか感心するけど、冷静に考えたらこれは紛れもなくたけのこの里なので脳がバグる。フクイチさんは理系だろうなと思っていたら、やっぱり理系だった。自分の知らないことや苦手なことを、わかりやすく、おもしろく説明している人は心から尊敬します。

論文みたいな淡々とした文章を書くのかと思ったら、たけのこの里に書かれた手足や、いらすとやさんなど、クスッと笑ってしまうアクセントが散りばめられています。頭がよすぎる。


特別リスペクト賞15「ウルトラハッピーラブファミリー賞」

家族へのハッピー&ラブにあふれた文章に贈る賞です。エッセイストのshin5さんをリスペクトしました。

タイトルでいろんなストーリーが想像できてしまう。その答え合わせをしに読みに行くような記事ですが、期待を裏切らない、ほっこりする答えが待っています。

借金を理由に離婚を選んだ二人はどれだけ苦しかったんだろう、橋さんはどうやって事実を受け入れてきたんだろう、つらい立ち会いをした時はどんな表情をしていたんだろう、と想像する余地が少しずつ用意されていて、想像した時に涙がこみ上げてきます。いい文章は、読者に想像をさせる文章と聞いたことがあり、まさにそれだなと思いました。

でも、苦しくて悲しい物語を越えた先にあるのは、救いでした。一枚貼りつけられている写真も、本当によかった。ここに出てくる全員の幸せを、願いたくなる。


特別リスペクト賞16「アマヤドリ賞」

明るく楽しいことをやっている「お祭り野郎」のような文章に贈る賞です。エッセイストの5歳さんをリスペクトしました。

作者ののりまきさんではなく、登場人物である竹内をお祭り野郎として認定しました。ありふれた名前であるのに、この記事を読んだあと、みなさんの心の中では元気に竹内がはねまわっていること間違いなし。

この記事ね、竹内っていう名前が120回も出てくるんですよ。竹内、出すぎ。でも乱用された竹内は擦り切れることなく、むしろ終盤に向かってどんどん勢いを増していく。竹内の用法用量が守れていないのに、強烈なインパクトを読者に残すので、竹内のプロモーションとしては完璧。きっと竹内も喜んでいるよ。

最初はイラッとするかもしれない竹内だけど、だんだん憎めなくなってきて、最後にはのりまきさんの言葉に重ねて「竹内はどう?」って聞きたくなる。っていうかこの問いかけも最高なんだよな。


特別リスペクト賞17「愛とパンク賞」

未来をつくるため、愛とパンクの精神で、社会の不条理に負けず突き進んでいく文章に贈る賞です。arca代表の辻愛沙子さんをリスペクトしました。

わたしは10年ほど、ダイバーシティやユニバーサルデザインの会社に勤めていたので、いろんな企業を見ていくと、女性のエンパワメントの難しさはものすごく肌で感じていました。

ともすれば目をそむけて、気にないふりをしても生きていけるなかで、大学院生のSaeさんが、自分の視点で気づいたことや語ったことを学んでいるのが、とても良いなと思いました。

ただ、世論や知識だけを語るのではなく、ご自身の経験が取り入れられていて、しかもセリフや登場人物の説明の仕方が魅力的で、どんどん読みすすめることができます。こういう記事は読めば読むほど、知識が得られるし、それがまわりまわって社会全体の啓発になるので、読みたくなる工夫がある記事って社会の財産なんですよね、きっと。

悩みを経て、Saeさんがたどり着いた答えも応援したくなるし、自分はどんな答えを出すだろうと考えてみたくなります。


特別リスペクト賞18「おカネの教室賞」

おカネや経済について書かれた文章に贈る賞です。作家の高井浩章さんをリスペクトしました。

ヘッダーと挿絵に使われているかわいい絵から、「迷言」のコミカル感が伝わって安心します。めちゃくちゃなこと言う人とか、突拍子もないことやる人ってハラハラするんだけど、「あっ、たぶんこのお父さんは家族から愛されてるな」って思えると、なんかホッとして読もうってなるんです。そして貴族でイメージする年代がマジクラシックな貴族で、おもしろいな。

心は貴族、というお父さんの発言を聞いたときの、はる華さんの戸惑いがじわじわ伝わってきます。しかも、今の生活に確実に影響を及ぼしているというのが、おもしろいんですけど、同時にほっこりもする。

しかも、自分を戸惑わせていた迷言が、ピンチに陥った時に名言に変わるっていう時間の流れも気持ちの移り変わりも、めちゃくちゃ納得できるし、良いお話を読ませてもらったなあって読後感になりました。


特別リスペクト賞19「ぴろしのマンガ編集馬賞」

マンガ家が日々考えていることや、作品について語る文章に贈る賞です。コルクの長谷川寛さんをリスペクトしました。

コルクの名前を冠した賞に、コルクラボの受講生の記事を選んでもいいものかと数秒は悩みましたが、そんなの関係ねえ。絵を描くのが本業の人が、頑張って言葉を書いてくれたんだ。これほどの喜びがあるものか。おめでとうございます、受賞です。

漫画家になるまでの道のりをさくさく読み進めていたら、フォロワーが減ってしまったくだりで笑いました。すごくわかる。渾身の投稿してフォロワー減るとなんでやねん、ってなるよね。本当はぐったり落ち込むレベルのことだと思うんですが、なんでやねん、のツッコミで済ませているところが潔い。

漫画ってなんとなく「肌で感じ取るもの」みたいな、職人の世界だと思っていたんです。それをちゃんと誰でも知識として学べるように作られたのがコルクラボで。ガチで勉強して、毎日絵を書き続けないとついていけないんですよ。わたしも何度か行ったからわかるけど。それに参加するだけじゃなくて、こうして文章にして、知識を他の漫画家さんにもおすそわけしようとしているのがすごいです。

漫画を描くだけでも大変なのに。最後に掲載されている漫画も、とても良いです。こういう作者さんのことを好きになれるコンテンツって良いよね、応援しようって思える人が増えてほしいです。


特別リスペクト賞20「夜明けのカラス賞」

クリエイティブとコミュニケーションの可能性にあふれる文章に贈る賞です。カラスの牧野圭太さんをリスペクトしました。

北原白秋は「まったく関係ない言葉を組み合わせて、新しい世界観を作る」作家として知られています。たぶんだけど。これは人の興味を引く言葉の作り方として、すごく良いんですよ。伝え方が9割でも言ってたような。いや言ってなかったかもしれない。

「初対面のお母さん」「尻叩き」「タスク管理」

どういう精神状態だったらこれを組み合わせて、しかも、これをタイトルに持ってこようと思うんですかね。そういうサービスがあるとはいえ、最高です。持ってきた言葉のチョイスにセンスがあります。

サービスの仕組みからしておもしろいのに、それを上手く自分で活用して、体験談としておもしろく書いているのが素晴らしいです。いろんな企業にこういう人がいると、企業と顧客のコミュニケーションの幅がグッと広がると思います。絶対にSNSで話題になるし。

タスク管理のサービスなんだけど、一貫してサービスを「母ちゃん」、タスク管理を「尻叩き」と言葉を変換して統一しているのも、シュールでおもしろいです。「ぼくの尻叩きはスムーズに始められました」とか二度見しちゃうもんね。

※この記事にいただいたサポート(投げ銭)は、すべて岸田のタピオカミルクティー代に消えます。甘いものが飲みたい。




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スキに圧倒的感謝
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28歳の作家。100文字で済むことを2000文字で伝える。車いすユーザーの母、ダウン症の弟、亡くなった父の話など。講談社・小説現代 連載、文藝春秋2020年1月号巻頭随筆 執筆。コルク所属。 Official WEB→https://kishidanami.com/

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コメント (1)
どんどん楽しくなって行きますね!
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