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今週のもうあかんわ「旅立った父のこと」

みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。

もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。

はじめた趣旨などはこちらから

ヘッダーのイラスト……アヤさん

はい!では!今週のもうあかんわ、いってみよ!

※掲載されたみなさんに「もうあかんわ特製ステッカー」を、毎週のMVPには「お見舞金 1000円(図書カード)」を差しあげます。掲載された人には、メールかDMで連絡がいくので、しばらくお待ちください。

今週のMVP:旅立った父のこと(すなみん)

去年、父が旅立った。80歳だった。

脳卒中で倒れてから10年も寝たきりだったので、家族も心の準備はできていた。

コロナでずっと面会も叶わず、病院から危篤の報せを受け、やっと久しぶりに会えた父は血色も良く、まるで昼寝でもしているような顔だった。

「お父さん来たよ」
「良かった間に合って」

家族が次々と声をかける。思ったより穏やかな臨終になりそうで安心していたが、なんだか様子が変だ。

ベッド脇のモニターの波形が、ずっとまっ平ら。

「え?これってドラマでよくある?」と思ったら、周りの看護師さんたちも、さっきから黙ってうつむいている。

「え?もしかしてもう死んでる?」

母が言った。

家族が着く少し前に既に父は事切れていたのだ。どうりで、一切の管が外され、どことなく小綺麗になっていたわけだ。

でも不思議と、悲しいというより、家族はみんな救われたような気持ちになった。穏やかに眠っているような父の姿を見られたから。お父さんありがとうね、おかげでこの時のことは、今でも家族の笑い話だよ。

岸田より
もうなんもいえねえ。このご家族には元号が三度変わるくらい遠い未来まで、年末年始はこの話題で笑っていてほしい。これはわたしの自論なんだけども、家族に「うまく旅立っていった人」がいるかどうかで、人生の送り方がかなり良い方向に変わっていく気がするんだわ。


平凡パンチ最新号(ななみ)

私より4歳年上の兄は器用だが怒りっぽく、いつも威張って、妹をこき使っていた。

私が中学生だったある日、兄は無線機のような物を手作りしていた。

「ドライバー持ってこい!」
「ここ押さえとけ」

いつものように私に命令を飛ばしながら作っている兄が、

「パンチも持ってこい!」

と。

変なことを言うなあと思ったが、逆らえないので、兄の部屋の絨毯の下に隠してある平凡パンチ最新号を持って行った。兄はアホか!と言いつつ、あまり怒らなかった。

岸田より
「いや平凡パンチってなに!?」って思ってわたしはまるでわからなかったんだけど、wikipediaで調べたら「東京五輪が開かれた高度成長期の1964年に創刊され、1988年に廃刊した男性向け週刊誌」って書いてて、世代ギャップ。わたしまだ生まれてへん。平凡パンチがわかる人へ届きますように。


掃除機帝国(けん)

学生時代、たまたま深夜のテレビショッピングで掃除機が売っていた。今ならなんと2台セット。バイト代入ったら買おう。これは買おう。1台は実家にプレゼントしよう。おふくろは俺という息子の優しさに涙し、親父は誇りに思うだろう。

夏休み実家に帰った。親父も買ってた。一家に4台になった。血は争えなかった。

岸田より
母「こんなんなんぼあってもいいですからね」


静かな湖畔の森のかげから(mitikyo)

今から20年ほど前の話。2人しかいない事務所に勤めていた。大掃除をしていたら、同僚が「ちょっときて」と呼びにきて、行ってみると、そこは湖になっていた。

事務所のそこら中が、水浸し。
原因は私だ。

シンクに水をためようと思って、排水溝に蓋をしたまま出しっぱなしにしていたのだ。それも熱湯を。蓋を取ろうとしても、熱くて手すら入れられない。すったもんだしてなんとか蓋を取ったが、排水に時間がかかり、事務所はしばらく湖になっていた。

岸田より
これねえ、わたしも会社員時代に目黒のビジネスホテルでやってしまったことがあって。朝起きて寝ぼけたまま風呂入ろうと思って溜めてたら二度寝しちゃって、起きたらシングルベッドの周りが湖畔に。「お客様ー!お客様ー!水がー!水がー!下の階と、廊下にー!」って従業員さんがドア叩いて起きたのを今でも思い出して冷や汗かく。


トンネルを抜けたらそこは(ちな)

友人の結婚式のために神戸まで行くという妹。小さい子どもは連れて行けないというので、わたしと母で子どもを預かったあと、車で妹を迎えに行くという算段。

さて、そろそろ妹を迎えに行くぞ!というときに事件が起こった。

ナビ通りに進んでいったはずが、新神戸のところでなにやら分からない地下への入り口に吸い込まれていく我が車!車線をミスった!そして新神戸トンネルを経て、北区へと飛ばされる我々……。

岸田より
あのねえ、これねえ、北区の住民としてちょっと聞きたいんですけどね、なんであなたたちはみんな北区を「迷った末にたどりついてしまう先」だと思っていらっしゃる!?迷いの森かなにかだと思っていらっしゃる!?そうだよ!!!!!!

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週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。