今週のもうあかんわ「火事場のクリープ現象」
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今週のもうあかんわ「火事場のクリープ現象」

みんなの「もうあかんわ」な話を、岸田奈美が趣味で集めています。

もうあかんすぎて、もうだれかに笑ってほしいという叫びたちなので、みんなで笑い飛ばしましょう。笑うだけで人の役に立てます。

はじめた趣旨などはこちらから

なんと、ヘッダー画像をアヤさんが描いてくれました!

どんなにアホなことでも、楽しんでやっていたら、楽しんでくれる人がキャンプファイヤーみたいに集まってくれるんですね。

はい、じゃあ、今週のもうあかんわ、いってみよ!

※掲載されたみなさんに「もうあかんわ特製ステッカー」を、毎週のMVPには「お見舞金 1000円(図書カード)」を差しあげます。掲載された人には、メールかDMで連絡がいくので、しばらくお待ちください。

【今週のMVP】火事場のクリープ現象(もも)

私の住む田舎町では、車がなければ生活ができませんでした。

高校卒業後に働き始めた私が、最初のお給料で買ったのが、欲しくて欲しくてたまらなかった紺色の軽自動車。

休みの度に一人で大好きな車を運転し、どこにでも行きました。嬉しい時も、悲しい時も、ちょっとドキドキするときも、いつも一緒でした。

そんなある日。

いつものように車に乗り込んで、エンジンをかけ、ギヤをドライブに入れ、さぁ出発‥…と思った、その時。ふと視線を下げると、運転席のシートに座る私の太ももに、明らかに危険を表す黄と黒の縞模様で、羽根の生えた生き物がいるのです。

そう、蜂がいるのです。

瞬時に、色んなパターンを考えました。

そのまま刺されて死ぬ。
手で払ったらパニックを起こした鉢に刺されて死ぬ。
窓開けたものの風圧で出ていけない鉢に刺されて死ぬ。

いずれにしても死ぬ一択のみ。

咄嗟に私がとった行動が
「車から飛び降りる」
でした。

おもむろに運転席のドアを開け、駐車場のアスファルトにわたしが転げ落ちることで、驚いた蜂はそのまま大空へ逃げて行きました。

助かったと思った瞬間、視界の端で紺色の物体がゆっくりと動くのが見えました。

そう、車です。

ギヤをドライブに入れたまま主人を失った車は、クリープ現象で、前へ、前へ。

大変だ……!

このまま進めば、お隣さんの家のブロック塀に激突という最悪の事態に。

私の体が再び脳を経由することなく咄嗟に動き出し、開いたままの運転席のドアを掴み、ちからいっぱい、ドアを引っ張りました。車 vs 18歳女子の死闘です。

いま考えると、冷静に車に乗り込んでブレーキをかければ良かったものを、パニックになると人間は一番原始的な方法で解決しようとするんですよね。

私の渾身の抵抗も虚しく、大好きな車はお隣さんの家のブロック塀に激突しました。後日、母親と一緒に菓子折りを持って謝罪に行き、ブロック塀の修理代もお支払いしました。もうあかんわ。

岸田より
途中から劇場版コナンの挿入歌が流れたり、野太い声で「ファイト一発!」が聞こえてきたりして、こっちもこっちで手に汗握ってハラハラと見守ってたんですが、この展開で危機一髪!ヨカッタ!とならんパターンに人生で初めて出会ったな……。


帰省中のの苦虫を噛みつぶす(ドリアン長野)

友人から

「ただいま実家に寄生虫」

というメールが来たので

「いい歳をして、いい加減自立しろ」と返したのだが、なんだか噛み合わない。

よく聞いてみたら、変換ミスで、本当は親の手伝いのために「帰省中」だったらしい。無茶苦茶な孝行息子だということがわかり、申し訳なくなった。

岸田より
同じ音なのに意味がまったく違ってくるな、叙述トリックみたい。いやこれは友人があかんやろ。


東海道新幹線レンジ号東京行き(M☺︎A)

16年前、まだ幼い私は、弟の誕生日プレゼントを買いにトイザらスへ行った。

弟が好きなのは、青いレールの上を走る新幹線のおもちゃ。値段は1,000円。

当時小学生だった私にとって、1,000円は大金だ。でも、弟の喜ぶ顔が見たい一心で、私は新幹線を買った。

そして迎えた、弟の誕生日。

新幹線を手に入れて、弟が喜んでいる顔は見ることができた。

が、そのあと、弟は新幹線をレンジに入れてチンした。あっけなく新幹線は壊れた。

たぶん、当時のレンジは皿がくるくる回る仕様だから、新幹線を走らせたかったのだと思う。

だけど「人がせっかく買ってきたものをチンするやつがいるか」と、当時の私は大号泣した。(原文note

岸田より
これが本当のチン幹線!なんつって!
「人がせっかく買ってきたものをチンするやつがいるか」ってセリフ、地球上で誰か言いそうなのに誰も言ってないだろうな。


間違えられる年(あとれいゆ)

その年は、異常に店員と間違えられる年だった。

スーパーでは「ねえ、あの棚のアイスをとって」と聞かれるし、「これはどうやって食べるの」と他人から聞かれ放題。

は愛想も良くないし、とっつき悪い方だと思うんだけど。

さらに数ヶ月後、大手の商業施設にて。店員さんは制服を着てるのに、そこでも知らない人から「このシャツのLサイズはもうないの」と聞かれ、アクセサリー店のイヤリングを見ていたら若い人から「このイヤリングいくらするの」と聞かれる。

わたしの背後霊が手招きでもしてるのかな、と思うほどだった。

それからなんとなく、買ったことのないを宝くじ初めて買ったら、3,000円が当たった。当たってから全く話しかけられない。

岸田より
たぶんですね、そういう、困ってる他人を助けてあげる善人って、地球上に何人かは存在するんですよ。それでうまく地球が回ってるというか。今年はたまたま、その善人が不作の年で、神様があわてて雇ったんじゃないですかね。年俸3000円で、あなたを。お勤めご苦労様でした。


大抵なんにでも効く(りの)

数年前、親戚の集まりの席にて。

聞くつもりはなかったけど、地声のでかいおば達の雑談が耳に入ってくる。

「私なんて痔が切れた時にも塗ったりしてるのよー!あれ、何にでも効く軟膏だもんね。オロナミンC!

オロナインでは?

誰も間違えに気づいてないし、ヨメの分際でツッコむ訳にもいかないし、なによりシュワシュワな元気ハツラツを患部に塗っちゃってる姿が頭をよぎり、笑いをこらえてぶっ倒れるかと思いました。

岸田より
いやまあ、ケイン・コスギも宍戸開も、断崖絶壁で落ちかけた時に腕一本でよじ登れるくらい回復するし、おばの痔だって治るかもねって書きかけたところで「いやそれはアリナミンVやがな!」って笑いながら検索したら、リポビタンDでした。わたしもかなりもうあかんところまできてます。


もうあかん話の投稿は、こちらからお待ちしてます!




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岸田 奈美

手術終わって元気になって帰ってきた母と、うまいもん食って、きれいな海を見に行きます。毎月、家族で楽しく暮らすいろんなことに使わせてもらっているので、使いみちはnoteで紹介します。

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