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リモート会議が多いなら、首から異彩を放とう

リモート会議が圧倒的に増えた。

わざわざ靴を履き、家を出て、電車に揺られ、汗だくになって歩かなくても、人と話すことができる。こんなにすばらしいことはないよ。


だけど、なんだろう。
テンションが上がらない。

わたしは人と会うとき、せっせとめかし込むのがわりと好きだ。気に入った服を着るのもだし、「ケロッグのコーンフロスティにしか見えない配色でコーデしてきました」みたいな血迷いっぷりを披露するのも。

わたしのオシャレは、他人とコミュニケーションする手段として重きが置かれていたんだな。

ところが、リモート会議だと上半身しか見えない。下手したら首から上くらいしか見えない。下になにを履いていたとしても伝わらないし、むしろなにも履いていなくとも差し支えない。

なにか、なにか、テンションをブチ上げるオシャレがしたい。

そこでわたしは、スカーフにたどり着いた。

巻きたい。陽光に当たらず、地獄のように青白いこの顔面を、華やかに彩るスカーフを。

寄せては返す、脈絡のない衝動に流されるようにしてたどり着いたのが、ヘラルボニーのスカーフだった。


異彩を放つ、ヘラルボニーがなぜ最高なのか

ヘラルボニーのことは前から知っていたのだけど、もうとにかく、なにからなにまで最高なのでここで推させてほしい。

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これがヘラルボニーの公式WEBサイトと、販売されている商品だ!

不思議な色彩とデザインに、見ているだけでドキドキする。わたしは生まれてはじめて、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を読んだときのことを思い出した。

じつはこのヘラルボニーは、ただのアパレル会社じゃない。彼らが掲げるアツすぎるメッセージを、騙されたと思って、ちょっと読んでみてほしい。


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かっこよすぎるだろ!?!?!?!??!?!?!

ヘラルボニーが販売する、スカーフ、ネクタイ、バッグなどの図柄はすべて、知的障害のある作家によるアートなのだ!

「恵まれない障害者が描いた絵に、チャリティでお金を払う」のとは真逆の方向に疾走し、「障害があるから描ける、才能のあふれるアートを、世の中に誇り高く送り出していく」ことに全力をかけている。

だから、本当に素晴らしいアートばかり採用されているし、そのアートを生み出した障害のある作家には、きちんと対価が支払われる。

最高すぎる。推さない理由がない。

わたしの弟にも知的障害があり、けっして崇高なアートとはいえないけど、彼は独特の色彩センスで塗り絵をして、なんともいえない魅力の作品をつくるから、よくわかる。

障害がある人にしか、描けない絵がある。

そんでもってわたしは、ヘラルボニーの代表・松田兄弟がめちゃくちゃ好きなのだ!

シュッとした松田兄弟には、自閉症のお兄さんがいる。ヘラルボニーという社名は、お兄さんが昔、ノートに書き連ねていた謎の言葉が由来なんだけど、まあその話も最高なのでこれを読んでみてほしい。

そういうわけで、ヘラルボニーのスカーフを首にこれでもかと巻きつければ、思う存分にオシャレを楽しめるし、あわよくばPCの向こう側の人から「そのスカーフなに!?」と興味を持ってもらえ、ヘラルボニーについて狂った熱量でプレゼンする機会も持てるということだ。

つまりこの記事は岸田奈美による、ヘラルボニーのダイレクトマーケティング作戦だ!

正直、ヘラルボニーには6000兆円くらい儲けてもらって、障害のある作家さんと一緒に六本木ヒルズの800階から900階くらいまでにオフィスを構えてほしい!(今回もいつもどおりわたしの沙汰なので、一銭ももらってないから、安心して読んでね)


前置きが長くなりましたが、ここでスカーフを巻くよ

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今回、わたしが取り寄せたのは、手前・工藤みどりさん作「無題」と、奥・土屋康一さん作「無題(通称:葉っぱ)」の二枚!愛しい!

どちらも障害のある作家さんだけど、工藤みどりさんは瞑想から生み出される果てしなさと不思議さがあるような制作で、土屋康一さんは植物の優しいイメージと鮮やかな色彩のある作品群が特徴。

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それが、この大きさで届くのだ!
デッケ〜〜〜〜!
嬉しいという感情以外が消失する〜〜〜!

首に巻くと、存在感がある。

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衣装、モデル、撮影、すべて岸田奈美ひとりである。ひとりだけど、すっごい楽しいから、この楽しさが伝わってほしい。

これを巻いた状態でリモート会議に参加すると、このようになる。

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は、華やか〜〜〜〜!

わかる?画面がパッと!彩られてる!すごい!世界の!彩度が!わたしを中心に!上がっている!

これなら会議も、楽しくなってポジティブにはかどる!「う〜ん、まあいけるっしょ!予算60億円追加!」とか、言えちゃうし、言われちゃう。

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わたしはおめでたいことがあったり、威嚇したいことが起こったりすると、サッと首からスカーフを外し、バッと広げるなどして、画面いっぱいに異彩を放っていた。現代のエリマキトカゲとは、わたしのこと。

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ほら、画面を小さくしてもこの通り!大人数の会議でも目立てる!

ちなみに、どさくさで気づいたかどうかわからないけど、左に映っているのがわたしの母・岸田ひろ実だ。ひろ実も同じスカーフを持っている。

親子で、首元から異彩を放っている。

頭にまいても、かわいいんだあ。

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そんなこんなで、わたしの首から上のQOLが、ヘラルボニーのスカーフによって爆上がりしてしまった。

みなさんも、どうだろうか。リモート会議は、スカーフで異彩を放ってみようよ。


ここで衝撃の発表

あまりにも、わたしがヘラルボニーの松田兄弟と作家陣が好きすぎるので、一方的に愛を押し付けていたところ、なんと「岸田奈美さんの公式グッズをヘラルボニーの作家さんと作りましょう!」と言ってもらえた。

ちょっと、うれしくて、言葉にならないけど!作ることになった!ウヒョ〜〜!

7月25日(土)に開催する、岸田奈美生誕祭で記念すべき初公式グッズを発表&松田兄弟にもオンライン登壇してもらいます。

キナリ☆マガジン購読者には、一足早く告知できる予定で進めているので、お楽しみに!

あと、東京に住んでる人は、高輪ゲートウェイでヘラルボニーが仮囲いミュージアムを実施するのでオススメです。



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岸田奈美|NamiKishida
週末にグループホームから帰ってくる弟や、ばあちゃんと美味しいものを食べます。中華料理が好きです。